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『 ちゃんとしたとこ住んでんじゃん！ 』
「 当たり前でしょ〜。バイトしてんの〜！ 」
『 おうおう。酔っ払いが大口叩いてますね〜 』
帰りの方面が一緒の深田くんは、いつも2個前の私の最寄り駅で降りてくれて、改札でバイバイをしていた。けれど今日は、こんな私を気遣ってか私の住むアパートの前まで送ってくれた。
『 おれここで帰るけど、Aちゃん大丈夫？1人で部屋まで入れる？ 』
私の腰を支えたまま、優しく言った深田くんを見上げると、いつもとは違う距離感に胸がドクンと鳴った気がした。
酔っ払いの悪戯心なのか分からないけれど、この時の私は、深田くんにわがままを言ってやろうと思ったらしく。
「 ……むりかも。ねえ、深田くん。お部屋までつれてって 」
ちょっと甘えた声でそう言ってみた。でも、あまりに反応が無くてすぐ上にある深田くんの顔を見上げると、なんとも言い難いむずかしい表情をしていた。
代わりに私の腰に回す腕がぐっと強くなった気がして。きっとこの瞬間に、なぜか私は深田くんを "男の子" だと強く認識してしまったのだと思う。
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『 なん階？ 』
「 ……あ、5階 」
深田くんは嫌な顔ひとつせず私の部屋の前まで送ってくれた。鍵を開けて中に入ると、深田くんは少し緊張した顔付きで、玄関のところで足を止めた。
『 はい。じゃあおれもう帰るね 』
「 うん。ありがとう 」
『 ちゃんとメイク落としてから寝るんだよ 』
「 なに急に！分かってます〜 」
いつもの優しい笑顔に戻った深田くんは、メイク落とせなんて言ってきて。深田くんの彼女になったら、こうやってお兄さんらしくリードしてくれるのかな、とか考えちゃった。
優しい深田くんは、私の頭にぽんっと手を置いて、『じゃ、また明日』と、爽やかに帰って行った。
「 ……深田くん、好きかも 」
単純脳だと分かっている。それは十分理解している。
けれどこの時の私は、この胸の高鳴りを "恋" だと思い疑わなかったし、そのおかげで私は昨日、呆気なくも失恋をしたのだ。
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彩花(プロフ) - このお話大好きでもう既に5回は見返してます🎵更新楽しみにしてます♡ (11月4日 22時) (
レス) @page33 id: 7fda05ffd5 (このIDを非表示/違反報告)
ふー - 更新待ってます (2023年3月28日 12時) (レス) id: 43b4b8b5ab (このIDを非表示/違反報告)
り(プロフ) - 更新楽しみにしてます🎶 (2023年1月12日 10時) (レス) id: 4e3fb2e947 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - お話大好きで何度も読み返してます♡続きも楽しみにしています^_^ (2022年12月8日 22時) (レス) id: 4b9f561349 (このIDを非表示/違反報告)
h - 更新嬉しいです〜ありがとうございます！面白すぎて何回も読み直してます！続きも楽しみにしています♡ (2022年11月13日 15時) (レス) id: dc72df0c7c (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2022年8月20日 9時
