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40.行列 ページ40

「今日はどこに行きたい?」

「織部さんと一緒ならどこでも」

一度は言ってみたかった言葉

でも、本当は行きたいところもなく考えるのが面倒だっただけ


「じゃぁ、最近話題のあの店に行こうよ」

「…え?それって…」

「ほら、すっごい行列が出来てるお店」

私は行列に並ぶのが嫌い

だから本当は行きたくないのだが

どこでもいいと言ってしまった手前無責任に断る事も出来ず

織部さんがあまりにも嬉しそうに笑っているものだから


「あぁ…はい…」

本当の事を素直に言えず、私と織部さんは長い列をつくつ話題の店に来た

織部さんは退屈させないようにするためか、常に何か語り掛けてくれる

その気遣いがとても嬉しかった

でも、織部さんが私に優しくしてくれる分だけ私は辛かった


行列の中でひときわ賑やかな織部さんは注目を浴びて、周囲の女性の視線が痛かった

女遊びが激しいと言っても、織部さんは確かにかっこいい

付き合うにしては問題がありすぎるが、目の保養に不足など無かった


だから

「なにあの女?」
私に対する嫌味もポツリと聞こえた

だから織部さんと一緒に行列に並ぶのは嫌いなんだ


「そうですね」

作り笑いをしながら、気付かないふりをしては織部さんの話に相槌を打つ

早く帰りたい

でも、織部さんは楽しみにしているし待つしかないのだ


「おい!!」

突然大声をあげた織部さん

「?どうかしましたか?」

「俺の女をいやらしい目でジロジロ見るのやめてくれる?」

織部さんは後ろに並んでいた男性の胸ぐらを掴み、今にも殴りかかろうとしていた


って言うか織部さんが"俺"って言った!?

そして私の事を"俺の女"って言った!?

かっこいい織部さんに惚れ直したが

「もういいです。白澤様帰りましょう」

注目を浴びすぎて恥ずかしくなった私は織部さんの手を引いて行列から外れて店を後にする


「なんで?せっかくあそこまで並んだのに」

「別にお店なんて興味ありませんよ」

「え?無かったの?」

「無いです」

「なんだ〜。志野ちゃんが喜ぶと思って頑張ったのに」

「何を頑張ったんですか?」

「僕行列苦手なんだよね。志野ちゃんと一緒に待ってるのは別に平気なんだけど。
他のお客さんに、僕の可愛い志野ちゃんが見られるのがすごく嫌なんだよね。
志野ちゃんは俺の女だから」

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作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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(プロフ) - 13日の金曜日さん» あっ。正解w元は鬼灯で書いてたものを引用して名前変えだけですからw (2015年7月28日 19時) (レス) id: 50aca512b0 (このIDを非表示/違反報告)
13日の金曜日 - 白澤とか唐瓜とか出てきて鬼灯○冷徹かと思った自分を殴ってやりたくなる、今日この頃 (2015年7月28日 14時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2015年5月9日 5時

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