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11.映画館 ページ11

「志野ちゃんはどの映画が見たい?」

「これ」

「え?…それはホラー映画だよね?」

「織部さんは怖いのが苦手ですか?」

「そっ…そんな事ないけど」

(あぁ〜これ苦手なやつだ。泣きだすか大声出すか手つないでくるか何かあるんだろうな)

「僕は志野ちゃんとこれが見たいかな」


織部さんが指をさしたのは、いかにも泣けそうな恋愛映画

「人の恋愛見て何が楽しいんですか?」

「こういうのを見て、彼氏彼女を大切にしようって。
お互いの愛をちゃんと言葉にしておこうって思えるからいいんだよ」

「私はちゃんと愛情表現しているつもりですよ?」

「それはわかってるけど、いつお別れが来るかわからないでしょ?」

「どうして別れる前提で話をするんですか?」

「僕は女癖が悪くていつも長続きしなかったからね…」


女癖が悪いと言う自覚はある

それでも止められない織部さんは病的なものがあるのだろう


「私と付き合ってから浮気をした事は?」

「浮気の定義にもよるけど…」


そう言いながら織部さんは私と目を合わせようとしない

「何かしらしたことがあるんですね?」

「…はい…」


それは私にも思い当たるものがある

「いつ?どんな時に?」

「志野ちゃんが…仕事で会えない日が続いた時」

織部さんは一人が寂しくて、誰かと居たくて女性に走る


「ごめんね」

「織部さんが謝ることはありません。
織部さんに寂しい思いをさせた私がいけなかったんです。
ごめんなさい」

「志野ちゃん…」

「私の愛情で、浮気できなくしてやりますよ」

「ありがとう」


泣きそうな顔して感動している織部さん

「…と、言う事で。リア充の私達は恋愛映画を見る必要はありません。
ホラー映画を見に行きますよ」

「え?…嘘」


平日の昼間と言う事も合って館内には人がまばらにしかいなかった

そんな中、織部さんの叫び声だけが響き渡る

泣きながら

声を嗄らしながら

私の腕にしがみついている織部さん

それでも画面から目を離さないのは…


「なんで志野ちゃんは平気なの?
窓を割ってガーって出てきた時とか、振り返ったら後ろにいた時とか超怖かったのに」

私と共通の話題が出来るように

織部さんなりに努力してくれているんだろうな

12.馴染み→←10.ささくれ



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作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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(プロフ) - 13日の金曜日さん» あっ。正解w元は鬼灯で書いてたものを引用して名前変えだけですからw (2015年7月28日 19時) (レス) id: 50aca512b0 (このIDを非表示/違反報告)
13日の金曜日 - 白澤とか唐瓜とか出てきて鬼灯○冷徹かと思った自分を殴ってやりたくなる、今日この頃 (2015年7月28日 14時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2015年5月9日 5時

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