ワスレナグサを渡して、

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何もできないまま、ただ突っ立ってた








「ってか、SnowManって不仲なんだよねー」



「え、そなの？」







「だって『ペア撮影の時は、なるべく渡辺を一人にしてください』

って、お願いしてるの聞いちゃったし」









……そんなの、知らなかった









妙に一人撮影が多いな、とは思っていたけど

そんなこと言ってたなんて






…しょうがないのか、だってみんな阿部ちゃんを守りたいもんね



俺が近くにいたら迷惑だから









「あ、そーいや渡辺って阿部のこといじめてるらしいよ」









「マジ？引くわー笑」




「それって自分が活躍できてないからじゃね？


マジ嫌な奴じゃん」









……ここでも俺は、悪者扱い








みんなから笑われてる、嫌われてる



ここに俺がいることを許される居場所なんてない







…悪役は最後まで悪役を貫き通す義務がある、か









「え、渡辺さん…？」




「いや、そのっ、今のは違って、！」









どうやら、ようやく俺がそこにいたことに気づいたらしい




くだらない言い訳をしてるらしいが、うまく耳に入ってこなかった









もういいや、ってその場を去ってしまった





感情がなくなったみたいに、どうでもよくなった









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なんで俺、ここにいるんだろ









「……もう、逃げちゃおっかな」









つぶやいた言葉は、生ぬるい空気に溶けていった









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