ワスレナグサを渡して、

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「いったん距離を置いてくれないかな



…怖がってるから」









そう言われたあの時からだった、俺とメンバーの間に深い深い溝ができたのは






きっと俺が犯人だと思って、阿部ちゃんじゃないメンバーも

俺を怖がって、嫌いになったんだろう









喋らない、目線も合わない、関わらない




唯一会話する収録でも、関わることは減った気がする









ま、それで逆に俺以外のメンバーはより仲良くなったし


本当に物語には悪役が必要なのかなー、なんて









「阿部ちゃーん、勉強教えて！」



「うん、ちょっと待ってー」



「えー阿部ちゃんは俺のだもん！」



「はいはい、佐久間は後でかまってあげるから笑」









阿部ちゃんは、あのことがあってからメンバーに

より愛されるようになった




見てよ、あの純粋で幸せそうな笑顔









………これが物語でいう“ハッピーエンド”なのか







なんて、悪役って残酷なんだろう









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休憩時間も、なるべく楽屋で過ごさなくなってきた




昼ご飯食うほど腹減らないし、いても気まずいし








スマホ片手に、廊下をぶらぶら歩いてる









「SnowManって、なんであんな売れてるのかねー」









曲がり角をまがる寸前で、そんな声が前の方から聞こえてきて

咄嗟に身を隠した




…ああ、今日撮影で怒られてたスタッフさんたちだ









「別になにもすごくないのにさー」




「イケメンでもないし、調子乗ってるし


…正直嫌いっていうか」




「うーわ、めちゃわかるわ笑」









……んだよ、お前らに何が分かるんだよ







みんなかっこいいし、調子乗ってるどころか超必死だし


くそくだらない八つ当たりなんてしてんじゃねえよ








…って、前の俺だったらそう言って胸倉掴んでたかも









『…本当に昔から変わってないよね


言葉より先に手が出るとこ、とかさ』









あの時の言葉が、まだ胸の傷をえぐってくるから








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