ワスレナグサを渡して、

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Koji.side

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「…俺だったら、こんな顔にさせないよ」








驚いてしばらく沈黙が続くと、そんな俺を見て

なんてね、とふっかさんは笑った







……ふっかさんのこと、きっと好きじゃない





今は優しくされたから、ときめいてるだけで

これは恋やない



そう分かってても、ふっかさんといたかった






…ちょっとくらい離れても、罰当たらんやろ








「ふっかさん、今からふっかさん家行きたい」




「…その言葉の意味分かってる？」








ゆっくり頷くと、分かった、と俺の頭をなでで

荷物を持った







…めめの気持ちと俺の気持ちとふっかさんの気持ち


全てのベストはこれ、誰も傷つかないのはこれ




たとえそれが、どんなに悪いことでも








「…いこっか」



「おん」








ふっかさんの手を取り、楽屋から出る







振り返ると、めめの姿が見えた




俺の姿を見てるのに、その体は動かんかった


止めることもなく、ただ見るだけ









離れてく、距離が遠くなっていく






なんで取り返しに来てくれんの？


なんで俺のもんだよ、って言ってくれんの？






ちょっとくらい期待するに決まっとるやん




待っとるのに、なんで阿部ちゃんの隣にずっといるの？









答えは簡単、俺を選ばなかったから





泣きそうな顔を前に向けた



きっと明日には、もう俺はあの部屋にいない









それでいいんや、それでいい







ほら、ネットの言う通りの“目黒の元カノ”に

リアルで、なるだけやから






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