リンドウを捧げる【轟焦凍】 (ページ18)

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16．▽ ページ18

「ここはどこだ」

知らない建物内の知らない廊下に立ち尽くす、自身の体。

ひんやりとした気温が体の火照りを解していく。

なぜ、私が迷子になっているのか順を追って説明しよう。

「タイムアップ！！」

第二種目である、騎馬戦が終了となる合図がプレゼント・マイクの声とともに示される。

ぶつかり合う音が止まる。

生徒達の不安と困惑の表情が見える。

観客席から離れ、スタジアムの外からその歓声と設置されているモニター画面で戦いの流れを見ていた。

「1位、轟チーム！！」

「2位、爆豪チーム！！」

「3位、鉄て…アレェ！？オイ！！心操チーム！！？」

それぞれの結果を元に順位が発表されていく。
呼ばれたチームがスクリーンに映し出される。

呼ばれなかったチームの生徒達の悔しげな表情に胸が締め付けられる。

轟焦凍の曇ったオッドアイが悲しみの色を見せているように感じた。

騎馬戦の最後に轟のチームと掴み合いになっていた少年のチームが4位であることが最後に告げられる。

以上の、4チームが最終種目へと進出が決まったのだ。

「…お昼休憩か」

1時間ほど休憩時間が設けられることがアナウンスで伝えられる。

人混みの多さに少し疲れたので雄英高校の敷地内にある木々の生い茂る静かな空間に避難することにしたのだが、

「なあなあ。そこのお姉ちゃん」
「暇そうだね？ちょっと付き合えよ」

アルコールの匂いを漂わせた男2人組に絡まれてしまった。

やっと漕ぎ着けた休息タイムを邪魔され苛立つ、思考

殴り飛ばしてやろうかと思ったが他校で問題を起こすわけにはいかないと理性がストップをかける

「…あの。退いてください」

自身の進行方向を邪魔するかのように動く男達に我慢の限界を迎える

正当防衛ということで蹴り飛ばそうか。

と、脳内で議論を行っていると視界の端にスタジアムに隣接された建物の入口が見えた。

あそこの中に少し避難しよう

思い立ったら即行動

酔っ払い2人をかわすように個性を使用し飛び出す。
視界の端にいれた建物の入口へと瞬間移動する。

そして、逃げ込むように中へと飛び込んだ結果、冒頭へと続くのであった。