404ともう一人 (２)【MIU404】 (ページ39)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:141,778 hit

11 ページ39

．

『麦ちゃんは保育士として働いていたけどエトリが裏切りに気づいて始末しようとして。

そこに私と桔梗さんが駆けつけて、助けて。

今は桔梗さんの家で匿ってもらってる』

｢警察にとっては "十億の女神" 。

エトリからすれば "十億の儲けを潰した女" ｣

｢日本には、アメリカのような証人保護プログラムが無いからな｣

｢でも警察が個人的にそこまでする必要があるんでしょうか｣

　世人くんの疑問に陣馬さんが答える。

｢無いな。だが、やっちゃいけないってことも無い。桔梗なりの責任のとり方なんだろう｣

　このタイミングで桔梗さんが帰ってきた。

｢高飛びを考えて航空会社に照会かけたけど、青池透子名義のチケット購入は無かった。……ん？｣

｢羽野麦の話をしてた｣

｢ああ… "ハムちゃん" ね｣

｢え、ハムちゃん…？｣

『羽野麦の "は" と"む" を取って、ハムちゃん！』

｢可愛い～！｣

｢なんでも食いつくなあ、お前は。…青池透子の職場の社長､ "冴羽克巳"。通報を拒んでおり何か知ってるようで｣

｢この男がエトリの可能性は？｣

｢いや、あの似顔絵見せたけど似てないって｣

｢ "ＰＣショップＡＣＥ" ？何かで聞いたな、組対絡みだったような…、ちょっと聞いてくる｣

　そう言って出て行こうとする桔梗さんを陣馬さんが止める。

｢まてまてまて、404が動いてるって大っぴらになるぞ｣

｢隠してない｣

｢隊長、自ら動くとなれば…いろいろあるだろ｣

｢あったって別にいい｣

　陣馬さんはそう言い張る桔梗さんの手から資料を奪い取った。

｢俺が聞いてくる｣

｢…そう？じゃ、よろしく｣

｢九重行くぞ｣

｢っはい｣

　世人くんは食べてるうどんを中断させて、陣馬さんの後をついて行った。

．