404ともう一人 (２)【MIU404】 (ページ15)

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｢ドーナツＥＰはこの二年くらい六本木を中心に流通しているものです。合成麻薬ＭＤＭＡ系のドラッグで、特徴は真ん中の…その穴｣

｢これまで税関で上げられておらず、製造国は不明。従来のＭＤＭＡより粗悪で安い値段で出回ってる｣

｢つまり、若い子が軽い気持ちで手を出しやすい。中毒性も強いから一度手を出したら、

　やめたくてもやめられない終わりのない地獄｣

｢これを陸上部が学校内で売ってたってこと～…？｣

｢廃部にまでしたということは、陸上部全体に広がっていたんでしょう｣

　先輩がこぼした疑問に、世人くんがみんなにコーヒーを出しながら言った｡

｢廃部前の名簿を出させよう。その中に売人の生徒と､今回の虚偽通報の生徒がいる｣

　桔梗さんの言葉に対して、毛利さんが難しい顔をしながら言葉を返す｡

｢いや～…でもあの校長がそんなに素直に出しますか、｣

｢強制的に出させる｣

｢去年の春季大会の400mで二位だった選手…バシリカ高校の当時二年、成川岳でした｣

｢馬鹿だなあ…、よし！こいつ逮捕いこう｣

｢何を言ってんだ、この写真だけじゃ証拠にならない。しかも相手は未成年。慎重に話聞かないと｣

｢専門分析の結果はどうなったんです？｣

｢この声、虚偽の通報の四件はいずれも同じ女性。年齢は10代後半と推定｣

　世人くんの質問に志摩さんがパソコンでその音声を流しながら言う。私がうんうんと考えている間にも周りで話は進んでいく。

｢これも陸上部の生徒でしょうか｣

｢マネージャーかも｣

｢よしっ！バシリカ高校の女子生徒集めて、一人ずつ声を録音して照合すれば…通報した子が、分かる｣

　この言葉にまた毛利さんが難しい顔をして言う。

｢いやあ、それも学校が許可しないでしょうね｣

｢おお？おたくやる気あんの？？｣

｢……いや学校がね？｣

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