404ともう一人 (２)【MIU404】 (ページ1)

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分岐点ページ1

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｢ごめんごめん、そんなに怒らなくても…｣

　先輩と志摩さんと一緒に芝浦署へ。エレベーターに乗る前の通路で、誰かに電話をする桔梗さんに遭遇した｡
　桔梗さんは私たちに気づいていないらしい。向かう場所が同じなので桔梗さんをつけるみたいになってしまった。

｢私が出るとき寝てたから、起こしちゃ悪いかなと思って静かに出ただけ｣

　桔梗さんの声がすごく優しい…。背中から滲み出ているオーラがいつもより穏やか。

｢え？怒ってないの？…あ、心配してくれてるのね？ふふっ、ありがと｡

私もだーいすき、お仕事頑張ります｣

　そう言って電話を切った。か、可愛い…。可愛すぎて思わず志摩さんと顔を見合わせた。先輩はにやけた顔のまま挨拶をした。

｢おはようございます…｣

｢おはようございます｣

『おはようございます！』

｢ただいま戻りました｣

『先輩、顔』

｢……お疲れ様｣

　にやけすぎでしょう、先輩。桔梗さんはそんな様子の先輩を訝しげに見つめて歩きだした。

｢今朝までの当番は…一機捜のヘルプだっけ？｣

｢はい、だから引き継ぎにここへ｣

｢四機捜は隣のビルだもんね｣

『はい。…404戻りました！』

　一機捜の方に報告しながら奥へ進む。

｢…その笑顔は何？｣

　桔梗さんが先輩の笑顔について聞く｡

｢なんでもないです｣

　何でもない訳がないだろう。

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　四機捜の分駐所に戻ってきて無線のチェックをする志摩さんとずっと顔がにやけている先輩、とその間に私。ソファーに座っている。

『先輩、その顔だめ』

｢ん？…いやあ｣

｢余計なこと言うな｣

｢え？余計なこと？｣

｢隊長に、プライベートについてなんだかんだ｣

｢いやちょっと待って？俺はなんも言ってない。…電話の相手がどう聞いても彼氏なの。朝まで一緒にいたんだろうな、｣

『先輩静かに！』

　他の四機捜の方たちが出ていくところ。先輩の話が聞かれるところだった、危ない危ない。｢いってらっしゃ〜い｣と返す。

『先輩は顔に出すぎなの。さっきもずっと、ずーっとにやにやして！』

｢顔が語ってるんだよな｣

『いえす、志摩さん』

「んーまじか、そうだったかあ。気づかなかった」

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