404ともう一人【MIU404】

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｢あれね、張り込みに時々使ってた警察車両。他に余ってるの無いんだから仕方ないでしょ｣


『あのメロンパン号が警察車両かあ』


｢てか四機捜の車って他にもありますよね？それ俺たちが当番のとき貸してくださいよー｣




｢…志摩｣


｢はい、｣


｢他のチームが車貸してくれると思う？｣


｢……むりむり、絶対貸さないっす｣


｢何でだよ｣





　こればかりは仕方ないな、と思う。一日で車を廃車にしたんだし。メロンパン号が余っていただけでも…か、感謝しないと。





｢あのメロンパンスピード出ないんですよ〜。いざって時に犯人が追えない、何のための機捜ですか｣


｢あのね､うちは交通機動隊じゃないの｡

刑事部の機動捜査隊。事件発生時はいち早く現場に到着して、初動捜査にあたる。機動力は必要だけど交通法は守らないといけないしスピード出して走ればいいってもんじゃない！

…志摩、文句は？無いよね？｣


｢………ありません｣


｢うわあ、普通に嘘ついた。さっきまであんな文句言ってたじゃん。どうしてこんな車なんだ、メロンパンだぞメロンパンって。メロンパン百回くらい言ったじゃん｣


｢メロンパン十回程度しか言ってない。俺が言いたかったのはどうして俺たちはこんな車に乗っているのか、お前と組んだせいであのメロンパン号…、｣


｢ほらまたメロンパン｣


｢お前と組んだせいであの車に乗る羽目になったという事実を述べただけ｣


｢それ文句でしょ｣





　また言い合い。その様子を見て桔梗さんと顔を見合わせて、二人に言う。





｢仲が良くて何より｣


｢仲良くないです｡

車という密室で長時間こもりきりでいる以上、円滑なコミュニケーションを心がけないと更に苦痛になるので、多くの問題点にはある程度目をつぶって妥協点を見出すべく努力してる最中です｣


｢…そう｣


｢朝からよくそんなに口まわるよねっ｣


｢ね、じゃねえ｣



｢口まわるよねー？｣


『ねー。本当に流暢』





　桔梗さんと私で先輩に賛同｡





｢隊長、Aまで…！｣



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