28 ページ28
.
志摩さんはアクセルを強く踏んで、大きくハンドルを切り、容疑車両の前に横から入り込んだ。横から入り込んで止まらない容疑車両を止めようということらしい。
私たちが乗っていた車と容疑車両は激しくぶつかり、車は回転し、横断歩道よりも少し前のところで横向きの状態で止まった。
「ッおい生きてるか!!」
『ん、何とか、』
目が回ってる、車が回転したんだ。身体が痛いし、暫く視界が歪んでいた。
「大丈夫か!!」
私たちと同じように容疑車両を追いかけていた陣馬さんが車の中から出てきて、私たちが出るのを手伝ってくれた。
「A手出せ、出るの手伝う」
『ありがと、…あれ、先輩は』
一緒にいたはずの先輩がいない、と周りを見渡すと、容疑車両を走って追いかけている先輩の姿があった。
「…足が速い」
『追いかけます!』
そう言い、走って行った先輩を追いかける。車が使えないから足しかない。アドレナリンのおかげか今はそこまで傷は痛まない。…先輩を放っておいたらだめな気がするし。
「は!?でもAその怪我で」
『大丈夫ですー!』
陣馬さんが心配して声をかけてくれたけど大丈夫、と走りながら言った。
「おいA!……あー陣馬さんすみません事故車両お願いします」
「Aは、」
「俺がつきます」
「分かった」
.
『先輩ー!今どこー!』
「神谷町8の4、容疑車両は芝浦方面!…志摩!」
「なんだ!!」
「秘密の近道教えろ!」
「ねぇーよ!!!」
「はあ!?お前使えねーなほんとに!」
こんな状況で何だけどやりとりに笑ってしまった。通常運転の先輩とあまり見たことがない雰囲気の志摩さん。
「余計なことするんじゃねえぞ!」
.
『志摩さん!多分ここじゃない?』
私が指さしたのは入口のドアが少し開いた倉庫。中から先輩の声が微かに聞こえる。
『何か怒ってる、』
「急ぐぞ」
中に入って奥の方で伊吹先輩と犯人を見つける。
「もー、志摩ちゃんもAちゃんも遅いよ…こいつ撃っちゃっても良いよね?」
「…」
.
444人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆいにゃん(プロフ) - しゃあぺんさん» わーそうなんですね!!お返事ありがとございます!気長に待ちますたのしみにしてますー^_^ (2022年12月12日 8時) (レス) id: cb8eda5df6 (このIDを非表示/違反報告)
しゃあぺん(プロフ) - ゆいさん» 読んでくださってありがとうございます!現在、続編の話の内容を変更中でありまして…、それが終わればパス設定は外します!お知らせしていなくてすみませんでした🙇♀️🙇♀️ (2022年12月8日 22時) (レス) id: 902cbe0756 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 初めまして!好みの作品で一気見してしまいました!この先を読みたいのですがパス設定されていて残念です。パス設定はもう外されないのでしょうか、、、、もしくは教えていただけませんか( ; ; )無理ならば諦めますので返信お待ちしてます! (2022年12月5日 21時) (レス) id: cb8eda5df6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんが(プロフ) - 真由さん» ありがとうございます!!ご指摘ありがとうございます、直しておきます! (2020年12月6日 21時) (レス) id: 902cbe0756 (このIDを非表示/違反報告)
真由 - 21の志摩さんのセリフ車の意を借りてではなく"威"を借りるだと思います。最近MIU404見て沼にハマったので楽しく読ませてもらいました! (2020年12月6日 21時) (レス) id: 45edfd9724 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:rui x他1人 | 作成日時:2020年7月26日 22時