404ともう一人【MIU404】

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【───現状は､曳島(ｴｲｼﾞﾏ)一丁目二番地三号先路上】





　車両配置表には401号車と404号車が曳島に急行と表示されていた｡





【通行中の男性が男に殴打され転倒。頭から血を流し意識不明状態、至急現場へ急行せよ】


『はぁ、行きますか』


｢うどんは、｣


『また後でだね』





　九重くんにそう返し、急いで準備をして、先輩と分駐所を出ようとする。





｢まて二人とも、戸締り｣


『あ、そうだった』


｢え？｣



｢俺たちは戸締りをしてから行く｣


｢盗む奴なんかいないでしょ、警察署の中で｣


｢規則だ。分駐所から離れるときは鍵を閉める、車を離れるときは鍵を抜く｣



｢あ〜、もしかして規則に雁字搦(がんじがら)めになっちゃう頭が硬い…｣


｢規則は、必要だからな｣


｢…おっけー｣


『ちゃんと鍵閉めてくださいよ！』


｢分かってるって〜｣





　先輩は分駐所の中を軽くチェックして鍵を閉めた｡




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　しばらく車で走り、現場に到着。既に人だかりができていたところを｢すみません｣と言いながら通って行く｡





｢あらかじめ言っておく。余計なことはしないでください。…行くぞA｣


『うん。…ほら、先輩行きますよ』


｢はいはい｣


｢404現着、初動捜査 始めます｣





　後ろからの足音が聞こえなくなり振り返ると、先輩が後ろを向いていた。声をかけようとしたけど、それより先に先輩が此方を向いて歩いてきたので、その時は何も考えず初動捜査に取り掛かる。志摩さんは九重くんに状況を聞く。





｢被害者の状態は｣


｢さっき救急車に、｣


｢いや、それは見えました｣


｢あぁ、顔面血だらけで話しかけたら辛うじて反応。殴ったのは知り合いかと聞いたら首を振りました。それ以上は聞けませんでした｣


｢了解｣




｢…ん？｣





　先輩をじっと見つめる志摩さん｡





｢なんか付いてる…取れた｣


｢ありがとー、｣





　志摩さんは先輩の頭に付いていたごみを取って歩き出した。それに続いて先に歩き始める伊吹先輩の後ろ姿を見る。何をしたんだろうとは思ったけど、後ろ姿を見て納得｡





『ぅわ、』


｢え？何？どしたの｣





　私の声が聞こえたのか後ろを振り返る先輩｡





『…なんでもないです、行きましょ』


｢？ うん｣





　何か分かってないっぽいけど放置、放置！



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