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『しまった…』


返すとは言ったものの、北さんのクラス聞くん忘れとった…。
しかも、クラス多いから一々見るのもしんどい…

はぁ、とため息をはきながらそろり、と教室を覗く。



『おらん…』


しかも周りの視線がちょっと、つらい。

どうせ双子の妹が来とるって思とるんやろ、バレバレや。


仕方ない、出直そうと3年生のフロアを後にする。

するとやけに大きな歓声が聞こえてくる。



『(嫌な予感…)』



顔を引き攣らせながら、廊下の階段を降りていくと

紛れもなく金と銀の髪。




『(げぇぇぇ…)』


営業スマイルの兄、侑と治が廊下で多数の女子に囲まれていた。

あれのどこが良いんだか。私生活ばらまいたろか。




『(何じゃここ…さっさと離れよ、)』


さっと逃げるかのように、後ろを向くと誰かとぶつかった。




『す、すみません…』


「あ、いやこっちこそごめん。……て、あれ、双子の妹じゃん。」


「あ、ほんまや。」




また妹かよ、もう何なの…。


苛立ち混じりで顔を上げると、割と大きめの先輩2人がいた。

狐の様に目が細い猫背の人と、色素が薄めの明るそうな人。



「もしかして侑たちに用あった?」


『断固として有り得ません。』


「やっぱ顔似とるなぁ…目付きとか特に…」


『お世辞でも嬉しくないです。』



あぁ、嫌だぁ早くこの場から立ち去りたいぃ…。


『じゃあ私はこれで、』


「あ、待ってよ。名前だけでも教えてくれない?」



はぁぁ?何様この人、普通自分から名前言うでしょ。

そんな私の声が聞こえていたかのように、彼は言う。



「俺は角名 倫太郎。男バレだよ。」


「おっ、俺は銀島 結。同じく。」


『はぁ…うちの双子がご迷惑おかけしてます。』


「あはは、こちらこそ。」




よりによって男バレに会うとかついてない……ついてない??




『A。宮 Aです。あの、先輩に聞きたいんですけど、』


「ん、何?」


『北さんって何組かわかりますか?用があって3年生のフロア行ったんですけどわからなくて…』



すると2人の体が硬直する。


あれ、変なこといったかな。



「北さんってあの北さんやんな?主将の??」


『え、他にどの北さんがいるんですか。』



2人とも何やら冷や汗をかいている。なんかやらかしたのかな。


「えっと…確か7組やったはず。」


「7組だと…」


『わかりました、ありがとうございます。』



2人にぺこりと頭を下げて、再び3年生のフロアへ向かった。




.

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さっちゃん - めっちゃ面白かった!なんかもう、言葉にならない…。感動😭 (4月24日 20時) (レス) @page50 id: c5a0fb1f72 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいも - めっちゃ面白かったです!感動して泣きかけました...!神作を有難うございました!! (4月20日 18時) (レス) @page50 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
こめつぶ(プロフ) - めっちゃ神作でした…!!!親と兄弟が目の前にいるのに何度も涙出そうになって、めっちゃ堪えました。本当に素敵な作品、ありがとうございます!!!!多分これからもリピートさせていただくと思います!!(() (4月8日 16時) (レス) @page50 id: e94f7d2b88 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - 神作ッ!!!主様天才すぎます。3周目に突入したのに涙が... (4月4日 0時) (レス) @page47 id: d24603059d (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 - なるほどなぁ、、神、 (4月3日 1時) (レス) @page50 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にろ | 作成日時:2020年5月17日 14時

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