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もっと。
もっと長く見ていたい。
この目に、彼の美しいプレーをより長く。
試合終了のホイッスルが鳴り、我に返った。
スコアを見ると2点差で惜敗。
『……やばい、』
かっこ良かったとしか言えん。
正直勝敗は今はあまり関係なかった。
ただただ、北さんのプレーを見ることが出来たという事実に胸が一杯になる。
表彰式が終わり、私はゆっくりと深呼吸をした。
『お婆ちゃん。私、信介さんとこ行ってきます。』
「うんうん、行ってき。」
早く会いたい。
きっと皆悔しい思いをしとる。
でもそれ以上に私は北さんに伝えたい。
今日のプレー
そして
今の想い。
.
『はぁっ、はぁ……』
ロビーに出たけど、人が多くてなかなか見当たらん。
やっぱり、迷惑やったかな…
被ってた帽子を外して、汗を拭う。髪の毛はきっとボッサボサや。
『!あの金髪……』
間違いない、侑や。
極力バレんように近づくと、どうやらミーティング?をしている。
あれ監督かな?えらい北さんと仲良いな……
『(!!あほ、何に嫉妬してんねん!)』
慌てて首を横にぶんぶん振る。
すると私を呼ぶ凛とした声が聞こえた。
『!!き、北さ……ンッ''!!』
こちらにやって来る北さん
……の後ろには驚いている侑と治。
ニヤニヤしながらこっちを見てる角名先輩と、手を振っている銀島先輩と大耳先輩。
あれ、リベロの人誰だっけ……
とにかく大人数の人が私に注目しているのだ。待って恥ずかしい…
「折角来てくれたのに勝てんかったわ。」
『い、いえっ!その、私は別に……』
「??」
『あんなかっこええ北さん、…初めて見たからっ、その……』
思わず口元を手で隠して目を逸らす。
「……あかん。ちょっと待っとってくれへん?」
北さんは着替えてくると行って5分後、ジャージ姿で戻ってきて私の手を取った。
『えっ!?ちょ、北さん…!?』
「なぁ練。あの子信介の彼女?」
「赤木は話したことなかったか。双子の妹のAやで。」
「いや、それは知っとるんやけど…彼女じゃないん?」
「今からなるんちゃうか?」
「えっ、」
.
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さっちゃん - めっちゃ面白かった!なんかもう、言葉にならない…。感動😭 (4月24日 20時) (レス) @page50 id: c5a0fb1f72 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいも - めっちゃ面白かったです!感動して泣きかけました...!神作を有難うございました!! (4月20日 18時) (レス) @page50 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
こめつぶ(プロフ) - めっちゃ神作でした…!!!親と兄弟が目の前にいるのに何度も涙出そうになって、めっちゃ堪えました。本当に素敵な作品、ありがとうございます!!!!多分これからもリピートさせていただくと思います!!(() (4月8日 16時) (レス) @page50 id: e94f7d2b88 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - 神作ッ!!!主様天才すぎます。3周目に突入したのに涙が... (4月4日 0時) (レス) @page47 id: d24603059d (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 - なるほどなぁ、、神、 (4月3日 1時) (レス) @page50 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にろ | 作成日時:2020年5月17日 14時