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『…………あ、』
北さんは目を丸くしてそのままフリーズしている。
い……
(言うてしまった!!!)
まさかあんなさらっと言うとは自分も思ってなくて、顔に熱が一気に集まる。
『あ、えっと、今のは何て言うか…』
「……っはは、」
『え?あの、北さん…?』
急にふっと笑いだす彼に動揺せざるを得ない。こんなに笑てる北さん初めて…?
なんや今日は北さん色んな顔してはる…
「俺が先言おう思ったのに、急にさらっと言うからびっくりしたわ。」
『え、何かスミマセン…』
…………ん?
俺が先言おう……
『え!?』
バッッと手で口元を覆う。待ってじゃあ、私の言うたことを先に言おうと…
「A顔真っ赤やで。」
『や、だって…嘘、……あぁぁ…』
嬉しさと恥ずかしさと緊張で、意味不明な声を出してしまう。
何かふわふわして頭がなかなか働かない。
「A、」
北さんの手がそっと、私の頬に触れる。
その瞳を見ては逸らすことは出来ない。
「
『!!……ど、どうぞ…』
これはきっとキスされるパターン…のはずや。
落ち着けA、いつもの冷静さを保て。いつも通り、いつも通り……
ぎゅっと目を瞑るが、唇に感触はない。
ふっと目を開こうとした瞬間、首元に触れられる。
『!?ひゃぅっ!?』
「わ、すまん。つい…」
『いい、いえっ!!』
何や今の声!!え、今のほんまに私の声…やったな??
「A、首触られるの嫌やったか。」
『嫌というか、くすぐったいというか…何か変な気分…』
「………」コショコショッ
『ひぅっ…!…あの、北さん面白がってます?』
キッと彼を睨もうとしたけど、それ以前に驚いてしまった。
「……あ、嫌…」
『……』
耳元まで真っ赤な北さんに悪戯心が芽生える。
『……信介さん耳真っ赤です。』
「Aがえろい声出すからやろ…。」
『そうさせたのは信介さんじゃないですか。まぁ、せやな……』
彼の耳元に近づいて、そっと囁いた。
『信介さんやったら、いつでも出しますよ。』
「……ッッ!」
バッッ!!と効果音が付くくらい、肩を引き離される。
「A……それ以上はあかん。」
『えっ、はい。』
やばい北さんめっちゃ目力やばい。圧がすごい。
(……双子の妹やったん忘れとったわ。煽らんといてくれ…)
.
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さっちゃん - めっちゃ面白かった!なんかもう、言葉にならない…。感動😭 (4月24日 20時) (レス) @page50 id: c5a0fb1f72 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいも - めっちゃ面白かったです!感動して泣きかけました...!神作を有難うございました!! (4月20日 18時) (レス) @page50 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
こめつぶ(プロフ) - めっちゃ神作でした…!!!親と兄弟が目の前にいるのに何度も涙出そうになって、めっちゃ堪えました。本当に素敵な作品、ありがとうございます!!!!多分これからもリピートさせていただくと思います!!(() (4月8日 16時) (レス) @page50 id: e94f7d2b88 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - 神作ッ!!!主様天才すぎます。3周目に突入したのに涙が... (4月4日 0時) (レス) @page47 id: d24603059d (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 - なるほどなぁ、、神、 (4月3日 1時) (レス) @page50 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にろ | 作成日時:2020年5月17日 14時