ご対面 ページ10
『あっ、じ、じゃあ私はこれで失礼します！お騒がせしました…！』
今思えば私以外皆男子しかいないことに気がついた。
基本この時間まで残ってる女子はいないしね…。
慌てて体育館を後にして昇降口へ向かおうとしたら、不意に後ろから声をかけられた。
「あ、あのっ」
『えっ？』
ぱっと後ろを振り返ると、そこには私が1番話してみたかった人。
キリッとした細い目に少し丸い猫背。
少しだけ汗がにじんでいる首元。
『すっっ、角名くんっ！？！？』
「あっうん。角名です。」
ずっとギャラリーから見ていたからあまり気にならなかったけど、大きい。身長がやばい。大きい。かっこいい。
『アっ、エット…ッ、』
やばい、目の前に角名くんがおる。心臓が過去最高にうるさい。
顔に熱が集まるのを感じて、思わず私を見ている彼から目を逸らす。
「えっと…陸奥さん…だよね？」
『あっ！！えと、はい！陸奥 Aです！！』
「Aちゃんか、えっと、初めましてだよね。俺、角名 倫太郎。」
えっ、さらっと今私の名前言わんかった？待ってやばい恥ずかしいけど嬉しい。
早く何か言わないといけないと頭ではわかっているけど、なかなか声が出ない。
自分でも死ぬほど緊張してるとわかった。
「あ、侑からノート見たんだけどすごく上手でびっくりした。」
『あっ！？あっ！！あれはその…何と言うか…えっと…』
言えない。授業中もずっと角名くんのこと考えているとか言えない…。
バレたら確実にストーカーと思われる。やばい。
『そのっ角名くんのことずっと考えてるとか何とか…べっ別にストーカーとかじゃなくて…！！』
「めちゃくちゃ素直に言うね。」
『えっっ！？！？』
はっと我に返る。待って1番言ってはいけないことを言ってしまったような気がする。
ていうか今確実に言った。やらかした。終わった。詰んだ。
『あっああのえっと！！ごご、ごめんなさいっ！！私なんかがあんなもの描いて本当にごめん…なさぃ…。』
段々と声が小さくなり最終的に自分で勝手に撃沈する。
「……ッくっ…」
『………ぇっ？』
絶望感に浸ってる私とは正反対に、角名くんは口を抑えて笑いをこらえていた。
『えっと…？』
「あぁ、ごめんごめん…あまりにもAちゃんコロコロ表情変わるから面白くてッ…」
涙を浮かべながら笑っている角名くんを見て、どうやら嫌われてはいないと思った。
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麻呂ましゅ(プロフ) - 宮侑イケメン過ぎて今度は侑の小説見たくなっちゃったー( ߹꒳߹ ) (11月15日 7時) (
レス) @page47 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
なっちち(プロフ) - 久々にキュンキュンきました(*´ω｀*) (2021年2月7日 4時) (レス) id: 5d60cec675 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 気づいたらニマニマしてました……とても良い作品ですね(*´ `) (2020年5月18日 22時) (レス) id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ - 可愛すぎるってぇぇぇぇ!やばい！讀みながらひとりで騒いでたわ (2020年4月12日 16時) (レス) id: 767cede04a (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 更新お疲れ様です！続きがすごく楽しみです！！応援してます！！ (2020年4月7日 1時) (レス) id: f894f75d5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にろ
| 作成日時：2020年3月11日 10時
