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本性 ページ45

「ちょっ、…A顔真っ赤…ッ、あははっ」

『なっ、なななっ…!』


頭がまともに働かない。えっ、今キス……


『り、倫太郎くん…もしかして欲求不満だった…?』

「は、」

『えっ!?違った!?ごめん…』


倫太郎くんは長いため息をついて、顔をほんのり赤くしながら私を睨む。


「Aって馬鹿なの?」

『えっ、私馬鹿なの…?』

「いや質問を質問で返さないでよ。」


ほんとにもう…と、顔を近づけられてまたキスしてしまいそうな位の至近距離。


「俺期待してもいい?って言ったよね?」


『え、…うん…………え?』


「いやもう鈍感なのか天然なのか…はぁぁ、もう知らないからね。」




すると視界が一気に変わって、何故か見えるのは天井と倫太郎くん。



『えっ、』


「好きってくらい先に言わせて?

初めてAと会った時から勝手に目で追うようになってて、

侑と楽しそうに話してたら恥ずかしいけど嫉妬してた。

でも、双子じゃなくて俺を見てくれて本当に嬉しかった。

これからも俺だけを見てくれる?」


『りんたろ、くん…』


彼は私の髪にそっと触れて、ふわっと優しい笑みを浮かべた。

その表情にきゅん、と心臓が跳ねる。



「俺も、Aのことだーいすきだよ。」


『……!』


「ふふ、照れてるの可愛いなぁ。」


『ここ、こっち見ないでよ…ッ…!』


ケラケラといつもの様に揶揄う倫太郎くん。そんなところも、きっと好きになったんだろうな。




「さてと、Aは体調悪いことだし…」


『えっ?』



「折角だから俺が診察してあげる。」



ニヤリと目を細めて、私の頬をつーっとなぞる。

不覚にも、その表情と突然触れられたことに肩が跳ね鼓動が速くなる。



『り、倫太郎…くん…?』


「ちゃんと治してあげないとね。」



言葉を返す前に、倫太郎くんにまた唇を塞がれる。



さっきとは違って、明らかに長い。

角度を変えてきたり、時には首に噛まれる。



『り、倫太郎くん…首、こしょばい…』


「ふーん、どうして欲しい?」


耳元で囁かれ、全身がぞくっと何かが走ったような感覚がした。



「A耳が弱いの?もっといじめたくなるなぁ、」


『り、りん…くん、だからこしょばいっ…!』


「嘘。本当は嬉しいくせに」


ちゃんと治るまでやめないからね?」






倫太郎くんの本性を初めて見た気がした。

それからの記憶はあったりなかったり。



ウブと乙女は両想いになりました。




(Fin.)

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麻呂ましゅ(プロフ) - 宮侑イケメン過ぎて今度は侑の小説見たくなっちゃったー( ߹꒳​߹ ) (11月15日 7時) (レス) @page47 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
なっちち(プロフ) - 久々にキュンキュンきました(*´ω`*) (2021年2月7日 4時) (レス) id: 5d60cec675 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 気づいたらニマニマしてました……とても良い作品ですね(*´ `) (2020年5月18日 22時) (レス) id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ - 可愛すぎるってぇぇぇぇ!やばい!讀みながらひとりで騒いでたわ (2020年4月12日 16時) (レス) id: 767cede04a (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 更新お疲れ様です!続きがすごく楽しみです!!応援してます!! (2020年4月7日 1時) (レス) id: f894f75d5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にろ | 作成日時:2020年3月11日 10時

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