雰囲気 ページ44
運が良いのか悪いのか、保健室の先生は出張で不在だった。
「折角だからベッド行こーよ。」
『えっ！？』
「え、何？もしかして変なことされると思ってた？」
ニヤッと目を細めて揶揄うように笑う倫太郎くん。
あぁ、そんな顔しないでよッ、
1つのベッドにゆっくりと腰をおろして数秒の沈黙。
一呼吸おいて、復唱していた第一声。
『えっと、倫太郎くん…その、…け、今朝はごめんね…。変に避けちゃって…』
返事が無い。やっぱり怒っているのかな。
恐る恐る倫太郎くんを見ると、彼は頭の上にはてなマークを浮かべたかのような顔をしていた。
「え？全然気にしてないけど、ていうか避けてたの？」
『えっ、あ、その…』
まさかの無自覚だったとは…どうしよう、こう返されるとは思っていなかったから言葉が出ない。
「まぁ、元気ないかなとは思ってたけど。」
『ご、ごめん…』
どうしよう、会話が続かない…
「昼休み侑といたでしょ？」
『えっ！？』
やっぱり、と倫太郎くんは可笑しそうに笑う。
「今日のAは元気なさそうで、侑と一緒にいるとかこれは完全に何かあるなって思ったんだよ。」
『うっ、…』
倫太郎くんは何でもお見通しで。
『だって倫太郎くん好きな人いるって言うから…』
「え？」
『……あ、』
また大きな失態。こういう大事な時に限って、私はすぐにへまをする。
「……A、もしかして一昨日のこと…」
『…ごめんね、わかっとるのに言わへんと侑くんにも失礼やったから、』
「は？侑？何で侑が出てくるの？」
『』
や ら か し た 。
流石に言えない。昼休み侑くんに告白されたとか言えない。
ていうか言える雰囲気じゃないよね？え、もうどう言い訳すればいいの？あーもう私のバカバカバカ！！！！
「A、顔真っ赤なんだけど…」
『……』
倫太郎くんの目が怖い。めちゃくちゃ怖い。
でも言わないと。侑くんにあんだけ励まされたんだよ？
『り、倫太郎くん…』
『ごめんね、私…倫太郎くんのこと』
「すとっぷ。」
『にょっ！？』
変な声が出たのは、倫太郎くんがわたしの両頬をきゅっと抓ったから。
「それ、期待していいの？」
『へ？』
「ダメって言わないってことはいいんだね？」
『え、ちょ、りんた……んんっ、！？』
倫太郎くんの唇はマシュマロみたいにふにっとしていた。
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麻呂ましゅ(プロフ) - 宮侑イケメン過ぎて今度は侑の小説見たくなっちゃったー( ߹꒳߹ ) (11月15日 7時) (
レス) @page47 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
なっちち(プロフ) - 久々にキュンキュンきました(*´ω｀*) (2021年2月7日 4時) (レス) id: 5d60cec675 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 気づいたらニマニマしてました……とても良い作品ですね(*´ `) (2020年5月18日 22時) (レス) id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ - 可愛すぎるってぇぇぇぇ!やばい！讀みながらひとりで騒いでたわ (2020年4月12日 16時) (レス) id: 767cede04a (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 更新お疲れ様です！続きがすごく楽しみです！！応援してます！！ (2020年4月7日 1時) (レス) id: f894f75d5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にろ
| 作成日時：2020年3月11日 10時
