インターハイ ページ31
『う、うわわわ…人がいっぱいいる…!!』
「むっちゃんさっきからそれしか言うてへんやん!」
「Aは初めてだもんね。」
大きな体育館を360°見回して目を見開く。
明るい照明にたくさんの人、歓声。
『皆ここで戦ってるんや…かっこええなぁ…。』
「Aもでしょ。」
『え?』
隣にいた倫太郎くんがニコッと笑う。ここでもファンサしてくれるのか…優しい優しい倫太郎くんよ…。
「Aも一緒に戦うんだよ。Aも大事なチームメイトだからね。」
『…!』
「信介、角名に台詞とられたな。」
「せやな。次期主将は角名でもありかもしれへんな。ほな、行こうか。」
北先輩がジャージを脱いで、皆アップをとりはじめる。
自分も気を引き締めて、背筋を伸ばす。が、
(やばい、倫太郎くんのユニフォーム姿かっこよすぎる…)
本人にバレないように、見てはノートに視線を戻すの繰り返しをしている。
(あぁめっっちゃ描きたい、あわよくばカメラにおさめたい…)
そんな悪魔の精神を必死に抑えてぶんぶんと首を横に振る。
今私は、倫太郎くんのユニフォーム姿を見るためにここに来たわけじゃない。
皆と一緒に勝ちにきた。
これを間違えてはいけない、私もチームメイトの1人。
その為に全力で皆をサポートしないと。
バチンッッ!!と頬っぺを叩いて、よしっと気を張る。
「むっちゃん大丈夫か?めっちゃ痛そうな音したけど…」
『えっ!?あ、大丈夫です!』
隣にいるコーチに心配され、慌てて返事を返す。
ふうっと緊張を抑えるために深呼吸をしていると、私を呼ぶ声が聞こえた。
『あれ、倫太郎くん…?アップまだあるよ?』
「あ、うん。そうなんだけど…」
倫太郎くんは、ベンチに座っている私の前にしゃがみこんで私の両手を握る。
『ぅえっ!?』
「緊張はあんましてないんだけどね。」
にぎにぎと私の手を握って口元を緩める倫太郎くんに、またきゅんと来る。んんんん可愛い…
「あ!!角名何むっちゃんとイチャついてんねん!!」
「むっちゃん〜俺にも何かしてやぁ。」
双子がぞろぞろと私たちの元にやってくる。
倫太郎くんは若干嫌そうな顔をしている。嫌な顔する倫太郎くんも可愛いなぁ。
『皆頑張ってね!』
にかっと微笑むと、双子は手を顔に当てていて
倫太郎くんは若干頬が赤かった。
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麻呂ましゅ(プロフ) - 宮侑イケメン過ぎて今度は侑の小説見たくなっちゃったー( ߹꒳߹ ) (11月15日 7時) (レス) @page47 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
なっちち(プロフ) - 久々にキュンキュンきました(*´ω`*) (2021年2月7日 4時) (レス) id: 5d60cec675 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 気づいたらニマニマしてました……とても良い作品ですね(*´ `) (2020年5月18日 22時) (レス) id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ - 可愛すぎるってぇぇぇぇ!やばい!讀みながらひとりで騒いでたわ (2020年4月12日 16時) (レス) id: 767cede04a (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 更新お疲れ様です!続きがすごく楽しみです!!応援してます!! (2020年4月7日 1時) (レス) id: f894f75d5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にろ | 作成日時:2020年3月11日 10時