チャンス ページ30
『へっくし！』
「あれ、陸奥さんジャージさっきまで着てへんかった？」
『あ、今倫太郎くんに貸してる。』
体育館の端っこで蹲っている倫太郎くんを見ると、双子はニヤニヤし始めた。
「彼女のジャージ被せてもろて角名幸せやろうなぁ。」
『ちょっと！？何勝手に私彼女にさせてるん！』
治くんがさらっととんでもない事を言うから、思わず声が大きくなってしまった。
「え？付きおうてないん？」
「こいつらまだ告ってもおらんねんで！？有り得へんやろ！？」
「有り得へんなぁ…」
『双子やからやと思うけど、意気投合せんといて！ていうか侑くん声でかいわ！！』
「陸奥の方が声でかいで…。」
え、うそ。慌てて手で口を抑える。どうしよう倫太郎くんに聞かれてないよね？寝てるよね？
ばっと倫太郎くんの方を見ると、目を閉じてすやすやと寝ていた。よし、大丈夫。
「でもそろそろ告らんと俺らも黙ってられへんで。」
『え、どういう意味侑くん…』
「せや！インハイ終わったら俺らでUSJ行こうや！」
「お、ええなぁ。」
侑くんの突然の思いつきに銀島くんも賛成する。待って待って急に淡々と話がとんでついていけない。
「角名とも一気に距離が近くなるチャンスや、ええと思わん？」
『無理無理、倫太郎くんとお出かけとか無理…何話せばええん…？』
「あ、出たむっちゃんウブモード。」
何そのあだ名。どこかで聞いたことありそうな名前だけど考えるのやめよう…。
「ていうかサム勝手に陸奥さんの呼び方変えたら角名にどつかれんで。」
「名前ちゃうからええやろ、なぁ銀？」
「え？お、おん。」
『私は別に気にせーへんけど、』
むっちゃん呼びは正直何も気にならない。
が、倫太郎くんの私の名前呼びだけは
どうしても慣れない。
「んで、何話せばええかって話やろ？」
『う、うん…』
「そういえば陸奥は、角名のことあんまり知らんのちゃう？好きなもんとか。」
『あっ…』
そういえば。倫太郎くんのこと
全然しらない。
「それやな。まずはお互いのこともっと知らんとあかんわ。」
『なっ、なるほど…。』
「陸奥さん…って俺もめんどいからむっちゃんでええわ、それ記録ノートやけどそこに書いて大丈夫なん？」
『え？……あ！！ああ、侑くん早く言ってよ！！』
「俺のせいなん！？」
うぅ、さっきまでジャージなくて寒かったのに
気がつけば少しだけ汗が出ていた。
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麻呂ましゅ(プロフ) - 宮侑イケメン過ぎて今度は侑の小説見たくなっちゃったー( ߹꒳߹ ) (11月15日 7時) (
レス) @page47 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
なっちち(プロフ) - 久々にキュンキュンきました(*´ω｀*) (2021年2月7日 4時) (レス) id: 5d60cec675 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 気づいたらニマニマしてました……とても良い作品ですね(*´ `) (2020年5月18日 22時) (レス) id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ - 可愛すぎるってぇぇぇぇ!やばい！讀みながらひとりで騒いでたわ (2020年4月12日 16時) (レス) id: 767cede04a (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 更新お疲れ様です！続きがすごく楽しみです！！応援してます！！ (2020年4月7日 1時) (レス) id: f894f75d5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にろ
| 作成日時：2020年3月11日 10時
