【HQ】ウブと乙女 【角名 倫太郎】

日直 ページ3

宮侑side

今日も殆ど全ての授業を睡眠で過ごした。
終礼のチャイムがなり急いで教室を出ようとしたら、先生に止められた。


「お前今日日直やろ。陸奥ばっかに仕事させてるのバレバレだからな。」

「えぇ…俺部活あるのにぃ…」

「日直位真面目にせんか。」


はぁい、と渋々黒板を消す。周りからどんまいとからかわれるのを無視して日付を書き換える。


「あ、あと日誌もちゃんと書いとけよ。お前の字が無かったら明日もやらせるからな。」

「せんせえ勘弁してぇな！」


ケラケラと笑いながら教室を出る先生を軽く睨みながらため息をつく。これは北さん説教コースやなぁ…。

そういえば。

今日の日直の相手は陸奥。心の中で盛大にため息をつき、頭をかきながら彼女の元へ行く。
いつの間にか教室には俺とそいつしかおらんかった。


「…なぁ。」

声をかけたが、顔を上げずにガリガリと勉強するそいつに苛立ちながら近づく。


「なぁ、陸奥さんってば＿＿」

荒々しくノートを取り上げると、やっとこっちを見た。


『………え？うわぁぁあぁ！？！？』


予想もしない声が飛んできて終わらず肩が上がる。何や全然真面目ちゃうやん。


『ちょ、かかか、返して下さいっ！！』

「何でやねん。こっちは部活あんのにお前ぜーんぜん反応せんから悪いんや。」

『ごっごご、ごめんなさい！日直の仕事全部やっとくから！！』

「……言うたな。」


ノートを返す前に開いてたページをちらっと見て、俺は固まった。


『あぁぁあ見ないでぇえ……』

顔を林檎のように真っ赤にしながら涙目で訴える彼女に俺は思わず聞いた。





「……これ、角名？」

そう聞くと彼女は耳まで真っ赤にしながら、こくりと頷いた。

いや絵上手すぎやろ。そっくりやん。

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