堕天使と狂戦士

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「眠れないの？」

部屋の角からこちらを覗いている。
いかにも、眠れないから構ってくれ、と言う眼をしていた。

「はあ、仕方ないね…おいでよ」

起き上がって寝かしつけるのもめんどくさいから、仕方なしにベッドの中に招き入れてやった。
…まあ、親がいないんだから、この子も少し寂しいんだろう。私はこの子の親になってるわけでもないしなるつもりはないが、安心ぐらいはさせてやれる。特別にね。

「おやすみ」

胸に抱き寄せ包み込んでやった。言っておくけど、特別に…だ。

「ごめんなさい…」
「ん？今、なんて？」
「…ごめんなさい」

初めて言葉を発した…と思ったらどうしてごめんなさい？別に悪いことなんて何もしていないだろうに、なんのことだろうか。
思い当たることがなく考えていると、この子は私の首筋に小さな手を添えてきた。

「ああ、この事か。気にしなくていい」

どうやら、私の首筋に噛み付いた事を謝っていたようだ。
まあだいぶ強く噛み付かれたから歯型は残るだろうけど、別に怒ってはいないし気にもしてない。

「ほら、もう寝るんだよ」

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