堕天使と狂戦士

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気絶させた気でいたのに、気絶どころか逆に怒りに触れさせたようで戦闘力が倍に跳ね上がり凶暴性が増した。



「ふふ、活きがいいね。かわいい」


背中を掴んで自分の目線に持ってくると変わらず暴れて私の首すじに噛み付いてきた。

…まったく、あんたは吸血鬼か。急所に噛み付いたのは満点。でも噛み付いたところでなにもならない。

小さな拳を受け止め尻尾を強く掴んで吊り上げてやると呆気なく大人しくなった。
柔らかい頰…よく見ると美味しそうだな。食べてしまおうか？

いや、もっと大きく育てたら食べる範囲も広がるし食べ頃になるまで育ててみるか。
そう面白半分で育ててみようという気になり、尻尾を掴んだまま住処へと戻った。




「お前、名前は？」

そう聞いても、ぎゃあぎゃあと騒いでまるで私の声なんて聞いていない。

「黙れ」

髪を掴んで見下ろしてやると、威圧感に押されたのか一気に大人しくなった。

「いいか、お前は私に拾われてラッキーだぞ。拾われていなければ、化け物の大群に喰われてたんだからな」

まあ、理解してないだろうがな。
フッと微笑んでやり、抱え上げて額にキスを落とした。

「私だけを見て育ってね」

そうすればもっと、美味しくなるだろうからね。

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