可哀想な子 ページ15
寝床でゴロゴロしていたら、部屋にブロリーが入ってきた。
「それどうしたの?」
緑色の毛皮を胸に寄せて眼を下に伏せている…なにか、様子がおかしい。
仕方なくベッドから降り彼の元に歩み寄って彼の目線に合うようにしゃがんだ。
「…これ、バァの…毛皮?…いや、耳?」
ブロリーと唯一仲の良い緑毛皮の化け物の耳。
それをぎゅっと抱きしめたまま、私の声掛けに答えず黙り込んでいる。…ああ…これは…
「お父さんに怒られたんだな」
そう言うとブロリーは身体を震わせ、俯いてた眼からは涙がポロポロと流れ落ちてきた。
…泣いた。ブロリーが。予想外の出来事にどう対応していいか分からず困惑した。
「…えっと…悲しかったよな…可哀想に…」
抱きしめてそう言ってやったが、あまり効果はなくブロリーの涙は止まらない。これ以上どうすれば…ええと…えっと…
「べ、…べろべろばぁ〜!」
割と真剣にした。
彼は嘘のように泣き止んだが、ポカンと私を見つめている。…かぁぁ…っと私の顔は熱を持ち始めた。…私は一体何を…
しばらく間が空くと、ブロリー は何故か私を抱き締めてきた。
…はは、慰めてくれてるのか?
泣き止んだのはいいが、何故私がこんな恥ずかしい思いをしなくちゃならないんだ。まあ自分でした事なんだけどね。
「それで、この耳どうするの?」
「…いっしょにいる…もう、バァはなかよくしてくれないから…」
「そ。」
あのじじい…何もここまでする事ないだろう…。この子だって連れぐらいは欲しい年頃なのに。
「いいか、ブロリー 。チャンスがあればあなたは必ずここを出て外で友達をつくるんだ。それと、お父さんの言いなりになってばかりではダメ」
「…お父さんの言うことは、ぜったいにきかないといけない…」
「…そうだけどね。でも優しい心だけは忘れないで」
優しさを忘れてしまったら、それこそこの子は悪に染まり上がってしまう。それだけはダメだ。悪は…必ず殺される運命になるから。
「…ルシファーはオレからはなれていかないで…ずっと一緒にいて…」
あらあら、嬉しい事言ってくれる…。不覚にもきゅんとしてしまう。
「あなたがここを出れる日がくるまでね」
「…ずっとはだめ?」
「うん。」
「…なんで…?」
「なんでも」
「なんで?」
「べろべろばぁ〜!」
不意打ちでそう驚かしてやると、やっぱりポカンとして何も言わなくなった。
…私とずっと一緒にいたってどうにもならない。
あなたには幸せになってほしいから、その時が来れば気持ちよく送り出したい。そう思っている。
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ミリア - こちらこそすいませんでした;最新頑張って下さいね!応援しますね! (2019年1月15日 19時) (レス) id: a3eeffbc62 (このIDを非表示/違反報告)
永夢(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。すみません…リクエストは受け付けておりません。 (2019年1月15日 19時) (レス) id: b9821a5f56 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - とっても良いです!ミリアさんのリクエストと私のリクエスト頑張って下さいね! (2019年1月15日 19時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
永夢(プロフ) - カリフラワーさん» ブロリー映画最高ですよね!ありがとうございます!続き頑張ってかきます! (2019年1月15日 18時) (レス) id: b9821a5f56 (このIDを非表示/違反報告)
カリフラワー - ドラゴンボール超ブロリーが好きで映画に激ハマリ中です!続きをとても楽しみにしております! (2019年1月15日 15時) (レス) id: 585cf671d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:永夢 | 作成日時:2019年1月12日 23時