脆い少女の独占欲

きっかけは脆い　byあき ページ3

私は狂い始めている。




そう感じたのは、最近のことだった。




久しぶりのKZの集合があり、
いつものように心を踊らせながら、カフェテリアに向かう。


そして、カフェテリアに着くと、
なぜか、KZのみんなの他に、可愛らしい女の子が居た。


その子は、長髪に黒髪で、見惚れるほどのストレートだ。




KZのみんなと、楽しそうに話している。


一体、誰だろう……。




事件の依頼人……ではなさそう。

集合がかかった時は、事件ではないって言ってたもん。



となると、秀明の生徒の子かな？

KZのみんながかっこいいから、
会いに来ちゃったっていう。



あ、でも、あの上杉君さえ、楽しそうに話している。

ただのファンだったら、今に追い返されてるよね。



って、本当に一体誰なの！？



KZのみんなと楽しく話してるってことは、
誰かの知り合い……？




う〜ん、ここで悩んでいても仕方がない。

本人たちに聞いてみようっと！



私はKZのみんながいるところへ向かった。



すると、みんなが私の存在に気づく。

「アーヤ、お疲れ様。」

いち早く私に気づいた黒木君が椅子を引いてくれた。


その仕草は、本物の紳士のように美しい。

流石だなぁ。


私は感心しつつ、椅子に座る。



そして、気になっている女の子の存在を聞いた。

「ねえ、そこにいる女の子って誰かの知り合い？」



私はそう切り出し、女の子を見る。



すると、女の子は慌てたように、
私に体を向け、お辞儀をした。

「私は、木下夏鈴です！
　はじめまして！立花さん……ですよね。
　
　さっき、若武君たちから聞きました！」



そう言い、木下さんは顔を上げ、笑ってみせた。

その笑顔というものは、誰もの心を射止めてしまうだろう。



うわぁ、美少女だ！

さっきまでは、顔が見えなかったけど、
近くで見れば、翼と並ぶくらい、顔が整っていた。



って、木下さん……。

どこかで聞いたことあるような……？


私が首を傾げていると、黒木君が言った。

「ほら、入塾してきた美少女って噂あったでしょ？」



私は黒木君の言葉で閃く。



少し前に、秀明では、
美少女が入塾してきたという噂が立ったんだ。

その美少女は、頭が良く三谷Cに入ったから、
私には無関係とばかり思ってた。



私が尊敬の眼差しで木下さんを見つめていると、
若武が活気よく言い出す。


「そういえば、アーヤ！
　夏鈴がKZに入団することになったぞ！」

え……？





私が狂うきかっけだった。

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