＿私は希望を捨てた

別れは早し　byあき ページ33

私は、望美(のぞみ)ちゃんを抱きしめる力を強めた。


もう離さないために。

失わないために。


すると、望美(のぞみ)ちゃんは少し暴れる。

希望(のぞみ)「優梨、苦しいってば。」


思わず、望美(のぞみ)ちゃんを解放する。


ご、ごめん。

つい、懐かしくって。


私は、少し笑う。

優梨「望美(のぞみ)ちゃん。いや、希望(のぞみ)って言うべきかな？」


希望(のぞみ)も、私と同じように少し笑う。

希望(のぞみ)「どっちでもいいよ。二人にまた会えて良かった。」



少し静かになる。



なんだろう。

希望(のぞみ)が目の前に居て、嬉しいはずなのに、何か嫌な予感がする。

とても怖い。


まるで、心に2度目の大きな傷が出来そうな。



同じ感情を感じとったと思われる玲は、希望(のぞみ)に聞いた。

玲「もう、俺らから離れないよな？
　 ずっと一緒に居れるよな？」


希望(のぞみ)は、玲の言葉に顔歪ませた。

何、この反応。


ずっと一緒に居られないってことなの？


優梨「希望(のぞみ)？」

私は、希望(のぞみ)に呼びかける。


希望(のぞみ)は少し泣きそうな顔をした。

そして、静かに話し出す。



希望(のぞみ)「ごめん、ずっと一緒には居られない。」



希望(のぞみ)の言葉を聞き、私と玲は絶望に叩き落とされた。

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