特別教室 ページ15
今日は特別教室で授業があった。
あえてギリギリに塾に着いたので、特に誰とも話さなかった。
まあ、上杉は“図ったな”と言わんばかりの顔だったけど。
きっと休み時間にでも、“あのこと”を聞くつもりだったんだろう。
でも、僕は表の性格ほど単純じゃない。
裏ではちゃんと全部想像して計算している。
誰かがこう言ったから、こう返すべき。
次に行動するのはこれとこれ。
この人はきっとこう言ってほしいんだろうな。
そうやって、全て思考を巡らせているんだ。
なんでこんなことをやっているかって?
面倒にならないかって?
確かに面倒だよ。
いちいち考えなければいけないからね。
でも、こうでもしないと僕のような一般人はやっていけないんだ。
どこかの秀才なら、こんなこと必要ない。
でも、僕は凡人。
みんなに合わせないと、この社会で上手くやっていけない。
みんなだって、同じでしょ。
周りに合わせて、合わせられなかった奴が堕ちていく。
みんなに貶され、陰口を言われ、ゴミを見るかのようにこちらを見られる。
そんなの、誰だって嫌でしょう?
僕は誰よりもそのことを知っているんだ。
そういう奴なんてたくさん見てきた。
大抵は隅で本を読んでいたり、逆にそういう奴同士で集まっている。
でも、そんなことをしているだけで色々言われる存在。
そんなのまるで虫けらみたいじゃんか。
……僕は虫けらになりたくないよ。
*
「これで授業を終わる。」
先生がそう言った瞬間、僕は急いで筆記用具を片付けた。
早くここから出ないと……。
そう思い、出口へと足を運ぼうとしたんだ。
でも、先に誰かが僕の肩を叩いた。
うっ、負けた。
どうせ上杉だろう。
あのことを聞かれたら、なんて答えよう。
色々悩んだあと、後ろを振り返る。
けれど、それは黒木だった。
49人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さまー(プロフ) - 頑張ってー!!!! (8月3日 7時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
あき@草売り大魔王(プロフ) - コメントありがとうございます!!ええっ、そんな言葉もらっていいですか!( ; ; )嬉しいですううう!!これからも更新頑張らせていただきます!! (8月2日 23時) (レス) id: 6c759d28ae (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 初めて見ました!めっちゃ面白い!これからも更新がんばってください! (8月2日 14時) (レス) @page20 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
かっち(プロフ) - あき@草売り大魔王さん» テスト頑張ってください!更新も無理しないでくださいね! (2022年7月5日 0時) (レス) id: 1b6cbbdaba (このIDを非表示/違反報告)
あき@草売り大魔王(プロフ) - かっちさん» コメントありがとうございますううう!!最近更新できなくて申し訳ないです( ・∇・)今週でテスト終わるのでその隙に更新しまっす!! (2022年7月4日 16時) (レス) id: e269879e16 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あき@草売り大魔王 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp
作成日時:2020年8月29日 14時