私の未来は彩らない

私の色　byあき ページ23

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KZは、きっと私が天国に逝っても、絶対に忘れない思い出になる。


もし……許されるのなら、もっと活動したかったな。





私以上に生きられない人だっている。



でも、それでも、生きたいと願うのは駄目かな？

私が我が儘なだけ？





私は走らせていたシャーペンを止め、手に力を込めた。



……今にも泣いてしまいそうだから。

目に溜まった涙を必死に堪える。



でも、瞬きした瞬間、一粒だけ、ポツリと落ち、ノートを滲みらせた。

じんわりと広がっていく。





やっぱり生きたいよ……。

お別れなんて嫌だよ……。





我が儘でごめんなさい。

でも、どうかお願いします。



せめて、3年間は生きることが出来ますように。





私はまたシャーペンを走らせた。



私の名前に込められた彩(いろ)。

名前の通り、私はこの人生で色んな彩(いろ)を見た。







若武の情熱の赤色。

上杉君の冷静の青色。

小塚君の優しい緑色。

黒木君のミステリアスな黒色。

翼の隠れた炎の白色。

忍の気品ある紫色。




他にもまだまだ数えきれないほどある。


それぞれが混ざって、素晴らしい彩(いろ)になったんだ。





私は何色だったんだろう……。

若武たちには何色に見えたかな？


キーホルダーの色はピンクだけれど、あれは私の好きな色だから。



みんなから見た私は……何色だったのかな？

綺麗な色だといいなぁ。





私はノートの隅にこう書いた。


“私はどんな色だった？”



きっと意味が分からないよね。

ふふっと笑い、消しゴムでゴシゴシと消した。



聞くなら直接聞きたいし、ね！




今思えば、KZの活動は楽しいことばかりだった。


思わず楽しくなり、まだまだペンは止まらない。




きっと、私の命尽きるまで、止まることはないと思う。

それくらい……私の胸には、思い出でたくさんだったから。


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