私の未来は彩らない

早退　美門side byあき ページ17

アーヤ抜きでKZメンバーに集合をかけた。



全員学校に居るけど、それよりも今の状況を優先するべきと考えた俺は、“今すぐ公園に集合”とラインで送る。



七鬼と視線を合わせ、挙手をした。

先生は先に俺の名前を呼ぶ。

「美門君、まだ疑問がありますか？」



俺は首を横に振り、気分悪そうに頭を抱えた。

「先生、朝から調子が悪かったので、今日は早退させてもらいます。」


もちろん演技。

先生は上手く騙され、帰っていいと許可を出した。



早退の準備で、荷物を全てリュックに詰め、背負う。


「えー、ツバサ帰っちゃうのー？」

「でも、体調悪いなら、仕方なくね？」

「そうだねー。このまま倒れちゃったら困るもん。」



クラスの女子が何か囁いていると、今度は七鬼を先生は指した。

「七鬼君、どうしたんですか？」




七鬼はフッと笑い、立ち上がる。

「今日はもう帰ります。
　ゲームがあるので。」




……相変わらずの理由。

この理由で帰らせるのは、おそらく七鬼だけ。




俺は少し足を引きずりながら教室を出た。

そして、七鬼が出てくるのを廊下で待ち、走る。



「全力疾走だ！」

今の俺は、自分を保てていない自信があった。



アーヤに何か起きたと考えると、気が気じゃない。


早く、早く、アーヤを追いかけなきゃ。

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