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俺がいる…… *続き* ページ33

「砂原に何が分かるの!?

 私の辛さなんて私にしか分からない!

 
 KZのせいでこんなことになったんだよ?
 生きがいだと思っていたものに裏切られた!



 綺麗事ばっかり言うのはやめて。
 
 もう傷つきたくな、い……。」




私は最後の言葉に気力を使い果たした。

2メートルのフェンスから風に揺られ、砂原のいる方へ倒れ込む。




”死ぬかもしれない“


そう思った瞬間、砂原が私のことを下から受け止めた。

砂原は滑り込みで私のことを見事キャッチ。




砂原は汗を太陽に照らされ、爽やかに笑う。


「立花は俺が守る。
 もう絶対に傷付けやしない。」



その輝きが私の胸を高鳴らせた。



砂原はなんてカッコいいんだろう。

こんな私のために、そんな言葉を言ってくれた。



泣きそうになっていると、砂原は私を優しく抱きしめる。


「それに、お前の辛さ、俺にも分かるぜ。
 俺だって、何度も裏切られてきたからな。」



その時、やっと自分の弱さと砂原の強さに気づいた。



あぁ……砂原は私より何倍も傷付いてきたんだった。




「卵ハンバーグは知っている」の時は、お父さんに裏切られた。

「クリスマスは知っている」の時は、里親に裏切られた。

「本格ハロウィンは知っている」の時は、シュン・サクライさんに裏切られた。



みんな、砂原を置いていったんだ。






なのに、誰よりも強く、騎士のように気高く生きている。

私は身体中の痛みを我慢して、砂原の背中に手をまわした。





ごめんね、砂原、

突き放してしまう言葉を言って。




私も砂原のようになりたかった。

どんなに傷ついても、強くいられる心が欲しかった。





私は、泣きながら砂原に全てを吐き出す。

「傷付くのが怖いんだ。
 もう傷つきたくないの。

 でも、やっぱり死にたくない。


 砂原と生きたいよ。」




砂原は頷き、耳元で囁いた。

「大丈夫、俺が立花の騎士となって守るから。
 二度と、こんな目に遭わせたりしない。


 だから、俺を信じて、一緒に生きろよ。」





砂原の言葉は冷たかった私の心を溶かす温かさを持っていたんだ。



絶対……絶対に私のこと守ってよ。

私も砂原を守るから。


お互いに守り合おう。





ありがとう、私の王子様。








私は砂原の腕の中で微笑み、安堵の眠りについた。

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にゃ〜 - 私、ヤンデレ知らなかったけど、コレ見たら好きになった! (5月13日 21時) (レス) @page45 id: 26a4d90e30 (このIDを非表示/違反報告)
にゃ〜 - ブラックkz大好きだから嬉しい! (2023年5月6日 10時) (レス) id: 26a4d90e30 (このIDを非表示/違反報告)
shiu - 他のヤンデレの小説増えるといいなー【ぬしさんがあまりにもすごいヤンデレ小説を書いたからヤンデレKZもっとみたくなった人】 (2022年10月15日 20時) (レス) @page45 id: b2b43a1e98 (このIDを非表示/違反報告)
shiu - ヤンデレ俺も好きー (2022年10月15日 20時) (レス) @page44 id: b2b43a1e98 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - 作品を見てブラックに目覚めました…!素敵なお話ありがとうございます!! (2022年7月2日 21時) (レス) @page27 id: c6a98f33d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あき@草売り大魔王 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp  
作成日時:2020年10月17日 12時

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