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慌てて聞いてしまったことを「ごめん」と謝れば、Aちゃんはふいと視線を逸らす。あー、今回は流石に怒らせちゃったかもしれない。
「＿＿＿……普通とは、なにか」
「え？」
「当たり前すぎて考えてこなかったことを、考えさせてくれる……そんな、お話です。乾さんも、読みますか？」
パタリと閉じた本を、俺の方に差し出してくる。まだ読みかけのその本は丁度中間地点辺りにスピンが挟まれており、反射的に受けとると、彼女の表情が幾分か柔らかくなった気がした。
「良いの？読みかけだけど」
「もう二周目なので」
それに＿＿＿、とAちゃんは言葉を続ける。
「……その、乾さんの、感想も……聞いてみたいな……って」
明らかに彼女の中での考え方が変わっていることに、そこで気づいた。
ここに来た日から今日までずっと、誰の影響も受けずに自分にスタイルを確立していると思っていた彼女は、ちゃんと今この瞬間も、少しずつ変わっているのだ。
誰の影響かは分からない。けれどあの賑やかで、Aちゃんのこととなると怖いくらいに真剣になるあの人達の中で、彼女自身も確かに変わっている。
きっとそれは、少なからず彼女の前に建設された壁が、薄くなりかけていることを示しているのだろう。
「……分かった。俺も読んできたら、一緒にこの本について語ろう？」
「っうん……！」
誰が前にぼやいていた気がする。あの子が全然心を開いてくれない＿＿＿と。その時は俺も「確かに」なんて思っていたが、今日ので分かった。
AちゃんはAちゃんなりに、心を開いてくれようとしているのだ。ただちょっとそれが、普通よりもゆっくりなだけで。
「あ、そうだ。この前未来屋書店行ったときに住野よるさんの新作置いてあったから、早速買って読んだよ」
「！ほんと……？」
「ほんとほんと。Aちゃんにオススメされてたから、見つけてすぐ買っちゃった」
「っ……え、えへへ」
だって、出会ったときはあんなにも無表情だった子のこんな可愛い笑顔見えるとか、どう考えても彼女が心を開いてくれた相手の特権でしょ。
だから今はまだ、例え完璧に壁が壊れていないとしても、俺はこれで十分なんだ。
《番外編part2へ》
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白菜(プロフ) - 凛花さん» 気づくのが遅くなってしまってすみません！イラスト気づいて頂けましたか……！ご想像通りの八神ちゃんが描けていたみたいで良かったです！！ (2020年8月26日 22時) (
レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
凛花 - イラスト…イラストが…!!もう八神ちゃんですね…可愛い…私の想像した八神ちゃんだ…尊い…(語彙力低下) (2020年8月14日 23時) (レス) id: 0e33e6ca02 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - るるあ。さん» ご指摘ありがとうございます！キーボードが押せてなかったのかもしれません…早急に直させて頂きました！るるあさんも体調管理には十分にお気をつけて！ (2020年8月8日 19時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
るるあ。 - ページ48の後半の「ひしひし」の部分、「ひしひ」になってます…いつも更新ありがとうございます！このご時世なので、お身体には十分お気をつけくださいね！ (2020年8月8日 15時) (レス) id: 807ddee245 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 藍知さん» Sgさんですよ…ほれほれ……() (2020年8月8日 13時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
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