【Q|K】今日、家族が増えた。【all】

おまけ〈家族になった裏側〉 ページ20

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Wtnb side



とんでもないことを仕出かしてしまった。そんな後悔が、Aちゃんというらしい女の子を探しに飛び出していった伊沢さんと山本さんの背中を見て、ようやっと俺の中に芽生えた。
やはり感情に任せて言いたいことを全部ぶちまけてしまうのは良くない。俺の方こそ子供だった。後で伊沢さん達にちゃんと謝らなければ。


言い訳する気はない。あれはどう見ても俺が言い過ぎた。
ただ、一つだけ言うとするならば、ついカッときてしまったのだ。

伊沢さんはいつも、どんな状況でも一旦その場に踏み留まり、誰よりも冷静な判断を下してくれる。そんな彼が「可哀想だった」「一人に出来なかった」「見過ごせなかった」という理由だけで人一人の命を背負ったことが……あまりにも、無責任に感じてしまったのだ。



＿＿＿本当は誰よりも責任を背負う覚悟がある人だと、知っていたのに。



「……」

「そんなに心配ならこうちゃんも行ってくれば良かったのに」

「……いや、俺が行ったって、なんの力にもなれないですし」



なかなか帰ってこない伊沢さん達に大丈夫だと思いながらも不安を感じてしまい、オフィス内をウロウロと歩き回る。
そんな俺を見かねた同じく留守番を任された福良さんはそう提案してくれるが、俺が行ったところで、力になれることはなにもないだろう。

仮に俺がAちゃんを見つけることが出来たって、その気は無くとも俺は彼女を傷つけてしまった。どの面下げて来たんだよなんて思われても仕方ないし、俺だって正直……気まずい。



「……あの、福良さん」

「んー？」

「……あの……俺、最低……ですよね……今日……」



こんなこと福良さんに言ったところでどうにもならないことは分かっている。そう分かってはいても、口にせずには居られなかった。


誰かに、はっきりと「最低だ」と言ってほしかった。言ってくれたら、少しは吹っ切れた気がしたから。







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