伍* ページ6
普「あ！神楽坂さん！おはよう！」
ざわざわと騒がしい教室に入ると、一目散に柚木くんが駆け寄ってきた。
「…えぇ。おはよう。柚木くん。」
なんだかその姿が子犬と重なってしまって柚木くんの頭を撫でる。
サラサラな髪が指に触れて、撫で心地というのはとても良かった。
普「あ…あの…神楽坂…さん…。なんで、撫でて…？」
暫くそのまま撫でていると照れくさそうな顔で私を見てきた。
…本当に犬みたいね。
「…柚木くんがワンちゃんに見えたから。」
普「ワ、ワンちゃん………」
なんか複雑…、と小声で言う柚木くん。
それでも手を振り払わないのは何故かしら。
撫でられるのが好き…？
「…ふふ、可愛い(微笑)」
普「…！！」
そう言うと、柚木くんは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
何か変なことを言ったかしら。
…まぁいいわ。
「柚木くん。早く席につかないと授業始まるわよ。」
撫でることに満足した私は微動打にしない彼の横を素通りし席に着いた。
教科書など、授業道具を準備していると動かなかった彼が私の目の前にやってきた。
「…どうしたの？柚木くん。」
普「…神楽坂さんってずるいよね…」
「………？」
…なにが………？
それだけ言うと、柚木くんは席に着いて肘をつきｼﾞｯ、と外を眺めてしまった。
言葉の意味がよくわからなかった。
…ずるい…、とは、一体なんのことを言っているのか。
(…よく、わからないわね。)
普「…あんな事されたら…もっと好きになっちゃうじゃん(ﾎﾞｿｯ)」
小さく呟いた柚木くんの声は、隣の席の私にも届かなかった。
終わり
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神埜(プロフ) - ふわさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年9月18日 23時) (
レス) id: 18603f0b2d (このIDを非表示/違反報告)
ふわ - 神作品の予感しかしないですわ (2019年9月15日 21時) (レス) id: 52abb0a881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神埜 | 作成日時：2019年9月15日 18時
