雑草拾壱本 ページ12
*
午前七時を過ぎた頃、社長や国木田さんが来た。
言うまでもなく太宰さんを見た国木田さんは、文字通り顔面蒼白でぶっ倒れた。
医務室に運ぶのには骨が折れたが。
まあ正常な反応...なのか、嗚呼、うん。
社長は流石と言おうか、数秒固まった物の一声掛けられて奥に行ってしまった。
事務員さん達はある意味一番臨機応変なのだか、太宰さんと私を交互に見ると笑って仕事に就く。
...何で笑われたんだ?
『太宰さん!その書類は私のですよ!』
「紛れてたんだもの、君に損も無いだろう?」
ぐっと言葉に詰まって、もごもごと口を動かしてからお願いします、と頼んでおいた。
「有島さん、文が届いてますよ〜」
『春野さん!ありがとうございます』
何だろうこれ...?
見た事もない封筒だなあ...
と言うより、匿名ってどう言う事だ全く。
封を切って出てきたのは、一枚の紙。
『...は?』
思わず目を見開いて、低い声で威圧した。
"太宰さんに近付いたら"
"命は無いと思え"
...うん、もう一回いこうか。
『はあ!?ふっざけんな何がだよ!!』
ぐしゃりと無惨に潰れた封に、わなわなと身体の震えは止まらない。
「ちょ、あ、有島さん...?」
「Aちゃん!?」
『はん、ご丁寧に電子機器で打ちやがったな、筆方で特定は無理だ。あー、指紋は?否、先ず太宰さんの女性関係から洗いざらい尋問していっても構わな』
「おっと待ちたまえ!どれ...」
外套を羽織って外に出ようとしたが、紙を取り上げられてまた座らされた。
「ふむ...心当たりがある、私から言っておこう!」
『当たり前です誰が悪いと思ってんだ』
乱れた髪をぐしゃりと手で押さえつけ、思いっきり溜息を吐いてやった。
『これで私に万が一が合ったりしたら末代まで呪いますからね』
「...そうだねえ。じゃあちょっと出て来るよ」
外套を翻して扉の向こうに消えた。
残り香がふわりと微かに香って、唯扉を見つめる。
「おや、あれは...駄目だねェ、怒ってるよ」
「自業自得さ!あの太宰の所有物に脅しなんて、馬鹿な事したね!」
「目の中真っ暗でしたけど...!?」
「歪な愛ですわ...!!」
「「「にしても...」」」
(((うーん...鈍い!)))
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澪夜&淡海(プロフ) - ゆーさん» コメント有難う御座います!!太宰さんへの愛の大きさがわかります!!笑これからも沢山更新します!!!! (2018年3月24日 7時) (レス) id: 16e9b87fa3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - ありがとうございますありがとうございますありがとうございます、。もうありがとうございますしか出てきません。。。はぁ、、太宰さん尊い、、更新楽しみにしてます!!!!!!! (2018年3月23日 22時) (レス) id: b0013dea70 (このIDを非表示/違反報告)
澪夜&淡海(プロフ) - マカロン♪@塩きゃらめるさん» 有難う御座います!そう言って頂けると試行錯誤した甲斐ががあります!! (2018年3月13日 23時) (レス) id: 16e9b87fa3 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン♪@塩きゃらめる(プロフ) - 表現がとても素敵で読んでいてドキドキしました!更新頑張ってください! (2018年3月13日 10時) (レス) id: 32efa4f0b1 (このIDを非表示/違反報告)
澪夜&淡海(プロフ) - 竹薮さん» コメント有難う御座います!そうですね、そこら辺の事には疎い子であって欲しいです!笑 (2018年3月11日 14時) (レス) id: 16e9b87fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:淡海 | 作成日時:2017年3月11日 16時