盲目の君に 【コウタ】《共作》 ページ27
「好き…」
やっぱりまだ慣れない。恥ずかしくて次の言葉が出なかった。
目の見えないAの瞼を撫でて呟いた。
暗闇の中で彼女はしたを向いては至って平常であった。
しわひとつない育ちのよさを伝えるスカートをくしゃ、と掴み、
再度顔をあげて何か言いたそうに口を開く。
その唇もすでに濡れていた。
『コウタ、どうして私なんかを?』
こんな不便な女、と自嘲気味に呟く声すら震えていた。
不安を消そうと、押さえ付けるように身体を包んで己の腕のなかへしまいこめば、
Aの瞼が動いた。
滅多に開かないAの瞳。
暗闇の中では北国の星空のように点々と白い光が際立っていた。
この、血管が留まり血液の溜まった彼女のコンプックス。
決して赤くない、深い青の宇宙のような瞳。
君は見ることが出来ない。
美しさにため息がでて、次の瞬間、Aの額に口づける。
続いて瞼を、頬、耳、そこから首筋をなぞり、浮き出た、鎖骨。
スキンシップ程度にしか捉えない彼女に、少し、少し、腹がたった。
柔らかなベッドに何も固いものがないことを確認し、ゆっくりとAを押し倒す。
目の見えない故、この先を知らない。
きっと今彼女が考えてるのは「もう眠る時間だ。」ということだろう。
彼女のなかの常識を覆す今日、背徳行為へ及ぶ。
いっぱい食べる君が好き【男主】 【ナナ】→←誉めない理由 【ペイラー榊】
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ルーネスガルディン - 死神のシャルロットだ。、、、此処は? (2016年6月13日 12時) (レス) id: e3be47b955 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い屈み | 作成日時:2015年8月18日 15時