ダサいだなんて、言わせない【ユズリハ】 学生if/⚠ネタバレアリ ページ1
私は、自分の容姿が大嫌いだ。
パサついた髪、荒れた肌、腫れぼったい、重い一重の目、小鼻が横に広がった団子鼻に、薄い唇…
コンプレックスをあげたらキリがない。
下の下の下の容姿を、限りなく普通に近づけたくて、人一倍の努力はしている。
美容液、ヘアオイルに課金したり、毎日1時間程マッサージをしたり、メイク、髪型、服装の研究に時間を費やしたり。
それでも、元から可愛い子にはどう頑張ったって敵わない。
学年で一番可愛いユズリハさん。
将来はモデルになる、と言われいて、その容姿は誰にも引けを取っていない。
私なんかとは、月とスッポン…いや、月とハエぐらいの違いがある人だ。
そんな彼女は、何故私に絡むのだろうか。
「A！次の移動教室、一緒に行かない?」
「アンタ、お弁当アタシと一緒に食べない?」
「一緒に帰らない?」
回りの目が痛くて、しぶしぶ首を縦に振っていた。
だけど、もう限界だ。
美人なユズリハさんの隣にいると、凄く、惨め。
周りも、私と綺麗なユズリハさんを比べている気がして。
彼女の性格からして有り得ないだろうけど、私を"引き立て役"にしようとしているのかとさえ思ってしまう。
だから、今日こそ言わなきゃ。
私に絡まないで、って。
今日も一緒に帰ろうと誘われて、今日も、しぶしぶ首を縦に振った。
西日が差す通学路。
私は、微妙に前を歩くユズリハさんに、勇気を振り絞って声を出した。
「あ、あのさ。ゆ、ユズリハさん」
「何?」
振り返った彼女は、光の影響を受けてとても美しかった。
息を呑んでしまうほどに。
だからこそ、背中を押された。
「もう、私に関わらないでください」
「は?」
呆気に取られた顔で、私を見つめる。
責められているように感じて、後ろめたい気持ちが襲う。
それでも_
「だって、私が美人なユズリハさんの隣にいると、周りから比べられている気がするんです。それに、貴方の言葉を借りるなら、私はユズリハさんよりずっとダサ_」
「待って。」
顔をあげると、彼女は鋭い目つきで私をじっと見つめていた。
「いつ、アタシがアンタを"ダサい"って言ったの?」
「そ、それは…ない…ですけど…」
言葉が尻すぼみになっていく。
彼女のペースに飲み込まれていく。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きゃらめるぱんけえき - カナタくんの回の続きとっても気になります (3月30日 12時) (
レス) id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこのおもち。(プロフ) - 柳 凉梛さん» コメントありがとうございます！🙇♀️そう言ってくださるととても励みになります😭😭😭ありがとうございます！ (12月21日 15時) (レス) id: 16a0a29691 (このIDを非表示/違反報告)
柳 凉梛 - 続きが気になります！！更新、頑張ってください！！ (12月21日 11時) (レス) @page5 id: a881f7c0c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちょこのおもち。 | 作成日時：2023年12月3日 21時
