15>変わるもの ページ42
騒がしかった嵐の後と言うのはどうしてこうも物悲しいと感じるのだろうか、日が暮れて生徒たちも無事に家路に着いた時間、私は……いや、私と冨岡先生は学校にまだ残っていた。
というのも、私が帰ろうと廊下を歩いていたら、前から冨岡先生が盛大にとうせんぼしてきたのだ。
黙ってこっちを見つめられても困るので、とりあえず会話を振る。
「冨岡先生、お疲れ様で〜す」
「水野」
「じゃ、私は帰りますので……」
「水野」
強行突破しようとしたら、身体を腕で抑えられた。
「ぐぇ」
「聞き逃げはズルいと思わないか?」
「なんのことでしょうかねぇ」
聞かなくてもわかっているが、一応確認を取る。
「好きだ」
「………………そ、それは左様で……」
「?あぁ、本当に、好きだ」
何回も言われると困ってしまうのだが。
そこでも相変わらず冨岡先生の腕にしっかりと捕ま
っている私は、観念して口を開らく。
「……先生」
「……なんだ」
「わ、わたし、私は、冨岡先生……冨岡さんが」
''好きです'' と消え入るような声で言った。
瞬間にどうしていいか分からなくなる。やばいやばい、言ってしまった、ついに言ってしまった。
上から声は聞こえない、え、なに?不安になっちゃうよ……!?
「冨岡さ……」
「それは、本当か?」
「えっ、ほ、本当ですよ!本当!そりゃもう本気と書いてマジですからね!」
何をムキになっているのか、大の大人が2人で何をしてるのか、考えたら負けな気がする。
「そうか」
「そうです、けど……」
「じゃあ、A」
「はい、て、えっ、名前知ってたんですね!?」
「これから、よろしく頼む」
「わかった!わかりましたから!そろそろ腕で身体をガードするのやめて貰えません!?ぎっ、義勇さん!」
これからの未来なんてわからないけど、とりあえず、まぁ、よろしくお願いしますってことで。
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莉子(プロフ) - キャラクターってどうやって作ってるんですか?おしえてほしいです。お願いします! (2020年6月6日 15時) (レス) id: 7a18dbf6fa (このIDを非表示/違反報告)
あまざけ(プロフ) - むさん» ありがとうございます!直しました(;;) (2019年10月5日 0時) (レス) id: d945b5bbc4 (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - 細かいですが一話の最後ら辺、富岡になってますよ〜 (2019年10月4日 16時) (レス) id: 9659f35e4f (このIDを非表示/違反報告)
あまざけ(プロフ) - sunoさん» ありがとうございます(;;)続編も更新頑張りたいと思います! (2019年10月3日 17時) (レス) id: d945b5bbc4 (このIDを非表示/違反報告)
suno - なぜ高評価は1回だけなんだ…(怒)! (2019年9月30日 15時) (レス) id: 6ecd2c2ba3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あまざけ | 作成日時:2019年9月14日 12時