冨岡先生は既婚者らしい

2.2>昼食のアクシデント ページ4

不安がっていても、お腹は減るし、昼食の時間を告げるベルの音は平然と鳴りだす。


屋上へと続く階段を昇っていると、竈門、我妻、嘴平の第三問題児(と、俺が勝手に心で呼んでいる)がワイワイと楽しそうに俺の横をすり抜けようと走っていく。


「おい、走るな危ない、それと竈門はピアスを外せ、嘴平は制服を治せ、我妻は髪を染めろ」
「げっ、冨岡先生……全く不釣り合いな可愛いランチバッグもってるよ……なに……怖……女子からのギャップ萌えでも狙ってんのかな」
「ギャップ萌え……とは何かわからんが、これは俺のじゃない、妻の趣味だ」


俺がそう言うと3人ともピシャリと動きを止めた、そして暫く沈黙が続いたあと我妻が大声で「は〜〜〜！？！？！？今何？妻って言った？嫁って言った？は！？」と騒ぐ。

「だからそうだと言ってるだろ……」

「冨岡先生って本当に結婚してるんですね」
「嘘嘘嘘嘘！絶対に信じない！居たとしても絶対に人間じゃない！」
「人間じゃないならコイツは誰を夫婦にしてんだ？タヌキとかか？」

「お前達は俺をなんだと思ってるんだ？」


「鬼教師」
「んー、スパルタすぎて教育委員会が動き出しそうな先生」
「無表情で何考えたんだかわかんねぇ奴」


俺は生徒からそんな目で見られていたのか。

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