冨岡先生は既婚者らしい

6>平和な化学 ページ18

「義勇くん、実は私は化学の先生になりたかったんだよね」
「そうか」
「こう、何かと何かを掛け合わせて未知なる物質を作ってみたかったというか…」
「未知なる物質なら現在進行形でここに出来上がっているだろう」


日曜日のファミレスはガヤガヤと騒がしい。


そんな場所にわざわざ連れ出して何をしたかったのかと思えば、彼女はおもむろにドリンクバーを2つだけを頼み、席を立ったかと思えば何もかもわかっていない状態の俺の前に何色か説明しがたい液体の入ったグラスをドンッと置いた。


「おあがりよ……」
「いやだが」
「息子が反抗期でどうしよう、ママは泣いちゃいそうですよ義勇くん」
「俺は息子じゃない」


俺を化学の実験台に使うんじゃない。
まぁ、きっと察するにこれはドリンクバーのジュースだけを調合しているようだし、塩酸やらが入っているわけでもあるまい、死 ぬことはさすがにないだろうけど。


「Aちゃんのスペシャルブレンドよ」


ここまで期待に満ちた顔で見られると、流石に困る。
それでも手を出せずにいる俺を見ると、Aはため息をついた。


「はぁ、仕方ないな、もしも入っているものを当てられたら…………義勇くんの言うことなんでも聞いてあげるよ」
「乗った」
「はや！この人秒で迷いもなく一気飲みしたよ？！」

ちなみに当てることが出来たのか出来なかったのか以前に一言言っておくと。


「ちなみにこれジュース以外も入ってるからね」


の一言で飲み込むに飲み込めなくなった。

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コメントの9割が誤字やら私の機械音痴のせいのミスの指摘で、めちゃくちゃにありがたいのですが、恥ずかしさやらで心が折れそう(豆腐メンタル)

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