4.Silence .. Silence ... ページ4
.
上司が出ていってから、その会議室に音はなかった。
.
会議室とかなら、本来は時計とかあるだろうに、それすらも無く、本当の無音世界だった。まるで私と彼だけが、世界から切り離されたようにと。
吐く息までも聞こえないほどに、互いに息なんてしてないんじゃないかってぐらい。
動いた方の負けだなんてあるけど、これは確実に喋り始めた方の負けなのかもしれない。あんなバトル漫画みたいなの、巫山戯てるだなんて────── 言ったな、あの人の前で。
.
「なぁ」
「あの」
.
「あっ」
「あっ」
.
「オマエから」
「あなたから」
.
「…………………………」
「…………………………」
.
声を出して
目が合って
気まずくて
目をそらして
譲り合って
沈黙。
.
なにこの、お見合いで気まずくなった感じみたいなの。いや、そんな感じな訳でもないでしょうよ。
別に私たち、お見合いしに来た訳でもないんだから。
.
机の下で、手をぎゅうっと握れば、冷や汗なのか汗なのか、いや汗なんだけど、それが滲む。早く終わらないかな、これ。
.
酸素が薄い。ちゃんと息ができているかわからなくて、息を吐いているのかも分からない。
いい加減、この空間を終わらせるべきだと思って、私は前を向いて、九井さんを見ても、鳴り止まない心臓の音が、うるさいのに
この部屋の空間は静かだった。
.
「なんで」
九井「んだよ」
「なんで、私の前に現れたんですか。私は、……………忘れるために、ここに来たのに。なんで、どこに行っても、私の前に現れるんですか」
九井「それなら、なんでオマエもオレの前に現れたんだよ。…………もう、忘れられたと思ったのに。」
.
静かだった、2人して、とにかく。
静寂でしかない部屋の世界で、どうしようも無い感情に溺れてしまいそう。息が出来ない、このまま消えてしまいたい。
なんで、ってなんで?
.
───────── 『Aさん。』
.
「白髪なんて、珍しい方なのに。」
九井「なんだ、オマエの三葉くんとやらは、白髪だったのかよ。」
.
性格なんて似てもない。
.
254人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょき。(プロフ) - 十六夜夏希さん» まだ2人とも囚われてるような感じになってます!! 少しずつですが、物語が動き始めつつありますので、見守って貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年12月5日 9時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夏希(プロフ) - え、めちゃくちゃ切ない…。それぞれの囚われている感がめっちゃ好きです。ココの推しもっと増えろ。(笑)更新頑張ってください! (2021年12月1日 2時) (レス) @page38 id: 1ab5df6e8d (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココオタクって言われてしまったうち喜んでいいのやら😩 (2021年11月30日 0時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ちょき。(プロフ) - ちえさん» 九井くんいいですよね!!わかります!!私も好きです! 今回は九井くんメインのお話でしかも長めのお話なので、楽しんで貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年11月28日 23時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココが推しなのでこういう話しがもっと見たいです。 (2021年11月26日 19時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちょき。 | 作成日時:2021年11月22日 13時