15.ギブ・アンド・テイクの関係性 ページ15
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目の前にある契約書に、私は馬鹿なんだと改めて思う。
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どうやら私は、本当に三葉くんに弱いらしい。それはそれで、本当に欲しいものとかあれば、買おうとしてたぐらいには、ダメだったのだろう。
あの声で、ああ言われて、NOが出せる女ならそれで良かった。
いや、無理だな、三葉くんの声に似てるわけだし。
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九井「ちゃんと契約書読めよ、あとからの文句は受け付けねぇし、追加すんなら今だからな。」
「はーい」
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どれどれ、といつも見なれている文字列を見ながら、読んでいくだけだった。
互いの過去を詮索しない、とかいまさっきのあなたが言うこと?なんて考えてしまう。嘘つきめ。
好きにならない、愛さない、と言ったような恋愛で誰もが求めることも禁止、それぐらいは分かりきっている。
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だってこれは、ギブ・アンド・テイクの関係なのだから。
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「ん?あの、これ」
九井「何番目?」
「47個目の、致してる時は互いの相手の名前で呼ぶことって。え、やるんですか、私たち。えっ」
九井「赤音さんのこと抱けなかったんだからいいだろ、オマエは赤音さんの代わりなんだし」
「いや、え、だってあなた、28ですよね?三葉くんは23歳ですもん、今なら。」
九井「だから?」
「体格に差があります!!!!」
九井「知らねぇよ、んなこと。オレは赤音さんを抱きたい、以上」
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話してみてわかったことがある。九井さんは、かなり自分勝手な人だと。よくわかった、赤音さんの心が広いことも。
ため息をこぼしそうになるも、それを口の中に入れておいては、また契約書を見た。
この人暇だったのかな、これ作ったのは。
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「私の事まで考慮されてるのが腹立つ。」
九井「言っとくけど、オレとオマエは契約関係を結んだとて、梵天とオマエの会社で比べたらオレの方が偉いんだからな。契約関係の時以外、偉そうにしたら会社潰すぞ。」
「それ以外の時は偉そうにしていいんですか」
九井「それ以外の時は、井山Aはどこにも存在してねぇからな」
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性格なんて似てない、本当に、でもこれは。互いのための、互いを利用し合うだけの
そんな関係。
それでもいいや、少しは救われてもいいはず。
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ちょき。(プロフ) - 十六夜夏希さん» まだ2人とも囚われてるような感じになってます!! 少しずつですが、物語が動き始めつつありますので、見守って貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年12月5日 9時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夏希(プロフ) - え、めちゃくちゃ切ない…。それぞれの囚われている感がめっちゃ好きです。ココの推しもっと増えろ。(笑)更新頑張ってください! (2021年12月1日 2時) (レス) @page38 id: 1ab5df6e8d (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココオタクって言われてしまったうち喜んでいいのやら😩 (2021年11月30日 0時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ちょき。(プロフ) - ちえさん» 九井くんいいですよね!!わかります!!私も好きです! 今回は九井くんメインのお話でしかも長めのお話なので、楽しんで貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年11月28日 23時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココが推しなのでこういう話しがもっと見たいです。 (2021年11月26日 19時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょき。 | 作成日時:2021年11月22日 13時