ブクロの番犬の隣を歩くのは…。2

良好 ページ37

二郎side









不安が、少し無くなってからは

Aに好きと伝えたくて

たまらなくなる事が増えた。




可愛くて、かっこよくて、

大人なのに、たまに子供っぽくて、



俺の大事な…大好きな彼女。




Aも、あれから前よりも

好きと言ってくれることが増えた気がする。



それに、デートをしていても

前よりも恋人らしくいられていると思う。




その証拠に、ばったり会った知り合いに

ちゃんとAが彼女だと認識してもらえた。






A「…二郎、嬉しそう？」



二郎「えっ……あ、うん。

嬉しいよ、ちゃんと俺の彼女だって

分かってもらえて。




けど、何が違うんだ？」




A「ぇ……自覚、ない？」



二郎「え？」



A「……………。」




え？……何…？

どういうこと？





A「……二郎、前までは

人前で好きとか言わなかったし

こんなにずっと手繋いでることも無かったよ？」







二郎「…………あれ……え…………



俺、………あぁぁー……！」




俺っ…言われてみれば

人前とか気にせず、好きって言ってたっ…！









うわっ…はっず！





うわぁ……うわぁー………





A「……大丈夫？」



二郎「……………だいじょばない…。」





今、絶対顔真っ赤だ…。



顔を覆った手の隙間からそっとAを見ると

こちらを覗き込んでいてバッチリ目が合った。



二郎「っ…！」



A「……二郎…？


嫌だった？

次から、注意した方がいい？」




二郎「……………いい。

好きなのは…ホントだし…。」




A「そっ、か。」







二郎「……けどさ、

最近、Aも変わったよね。



前より、考えてる事分かりやすくなった。


それに……可愛くなった。」




A「そ、んな事ない。


ただ、わがままも本音も、

伝えるのは二郎だけにした。


……それだけだよ。」




二郎「っ……それが、可愛いんだってば…。」








もともとは、俺はこれを望んでたはずなのに

実際こんなに特別扱いされると

心臓がもたないんじゃないかと思う。



それくらい、最近は

ドキドキとキュンキュンが凄くて

感情が大変なことになってる。




けどやっぱり嬉しくて、

それをやめてなんて言えない。





だから、代わりにまた、

好きだと伝えてしまう。




A「…うん、私も。」







………そう返ってくるのが、


たまらなく嬉しかったりするんだよな。

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