ブクロの番犬の隣を歩くのは…。2

おまけ ページ4

二郎side






Aが弁当を作って持ってきてくれた事も

もちろん嬉しいけど、

何よりそれをはなく食べたくて、


朝からずっとそわそわしっぱなしだった。






そしてようやく、昼休み。

何人か女子がやってきたけど、

可哀想に思いつつ断って、


Aから受けとった弁当を、

それぞれ友達に手渡す。



友人「うわっ、わざわざ

こんな、ちゃんと作ってくれるとか

普通に嬉しいんだけど！」



友人2「おぉ！！しかも見ろよ！

めちゃくちゃ美味そう！」




二郎「ちょっ！俺より先に見んなよ！」


先を越されたのを悔しく思いつつ、

自分の分も開いて覗く。




二郎「うわっ…美味そ……！」



思わず声を漏らす。

そして、それぞれの弁当を見比べる。


パッと見は同じようだけど、

よく見れば、俺のにだけひとつ、

ハンバーグが他のおかずに紛れて入っていた。




友人「うわずりぃ！」


友人2「くっそー！これが彼女持ちの特権か！」



口々に文句を言われ、

危うく奪われそうになりながら


何とか死守して、それに食らいつく。




二郎「っ！」



いつも作ってくれるAの

ハンバーグと同じ味だ。



二人に見られていることも気にせず

Aからの特別扱いに心が満たされて

腹も満たされて、幸せな気持ちで完食した。




友人「あー美味かった！

じろちゃん、また頼んどいて！」



友人2「マジでこんな手料理

いつでも食えるとか羨ましすぎだぞ！」



二郎「いいだろ？

Aの作ってくれる料理は

全部美味いし、ボリュームも文句なしだぜ！」



友人「うわっ、惚気けやがった。

でも普通に羨ましくてなんも言えねぇわ。」




そんな事を話していると、

あっという間に予鈴が鳴る。




片付けながら、ふと思い立って

Aにメッセージを送った。




二郎A!弁当食った!ありがとう!
あと、ハンバーグも、マジで美味かった!
A満足してもらえてよかった。
友達の口には合ったかな?
二郎うん!めちゃくちゃ褒めてた!
また作って欲しいって。
断ったけどっ!
Aそっか?私は全然、頼まれれば作るよ?
二郎ダメ!Aは俺のだから!
他のやつにあんまり優しくしないで!




誰にでも、なんでもしてあげるAに

少しムッとしてそう送ると、

既読はつくものの、返事が返ってこない。


…あれ、やらかした？

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