ブクロの番犬の隣を歩くのは…。2

近況 ページ13

Aside








ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ



ｶﾞﾁｬ





お手伝いさん「Aちゃん、おかえりなさい。

さぁ、お二人共待ってるから早く上がって。


荷物、預かるわね。」




A「ただいま。


ありがとう、私の部屋に置いておいて。」




お手伝いさんに荷物を預け、

リビングに顔を出す。




ｶﾞﾁｬ




A「お父さん、お母さん、おかえり。」




父「っ！A！おかえり。


……大きくなったね…。」



母「！おかえりなさいっ。

会っていないうちに、

随分大人っぽくなったわね。」




A「そりゃあ…ね？」



最後に顔を合わせたのは中学の時だろう。

電話やメッセージでのやり取りは

何度かしていたけど、それもその程度。



お互い見た目も状況も変わって当然だ。





父さん「会っていない間の

Aの話をたくさん聞きたい。


父さんや母さんの事はテレビやネットで

何となく分かっているかもしれないけど、

Aの事を知る機会はないからね。」




A「そうだね、色々な事があったよ。」





それから三人でご飯を食べつつ、

高校に入ってからの事や、みんなと出会ったこと、

仕事の話などを聞かせた。




母「それで、一人暮らしをしたい

なんて言っていたのね。


初めは、危ないんじゃないかと心配だったけれど

それならむしろ安心かもしれないわ。」




父「そうだね。

Aの気持ちを優先した結果だけれど、

実は気が気じゃなかったんだ。



その、山田君達は優しいね。



……それから、二郎君とは

いつか会わなくてはいけないね。」




母「そうね！Aが選んだんだもの、

きっと素敵な子なんでしょう。」




A「うん、いい子だよ。

三人とも、いい子たち。



一郎は、二人のこと知ってるけど、

下の二人にはまだ言ってないんだ。」




父「うーん、大事な子なら

話していい気がするけど、

かえって重荷になってしまうだろうか？」



母「そうね…でもなるべく早く会って

ちゃんと挨拶させてもらいたいわ。


Aの事もお礼を言いたいし。」





A「…今度、一郎と相談してみる。

次、帰って来れる時に

なるべく挨拶出来るようにするね。」



父「あぁ、楽しみにしているよ。」



母「お母さんも、楽しみだわ。」






そんな話をして、ご飯を食べ終わり、

休暇と言いつつ二人とも

仕事の書類を整理したりなんだりで

各々の時間を過ごした。

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