帝統が拾った女の話

お疲れ様 ページ29

帝統side






かなりの時間をかけてゆっくりゆっくり

俺の名前、有栖川帝統、を書き切った。

すげぇバランス悪いし歪だけど

書いてくれたってだけで嬉しい。




帝統「A〜、あんがとな！」


三郎が褒めて、俺が礼を言って。

けど、ずっと不満そうな顔のままだ。




帝統「…………っふ。」



三郎「……？？」



あのヤクザの、名前が上手く言えなかった時と同じだ。

上手くいかなくて不満なんだろうな。

意外と完璧主義だよな、Aは。




帝統「Aー、今でこれだけ書ければ

上出来だぞ！

これからもっと練習したら上手くなっから！

したらまた書いてくれ！な？」





A『………っ！ん！』







その後、一郎と二郎の名前も書いて、

というかこの3人の名前あんま変わんねーだろ

って思ったが3人とも

書いてもらえるのが嬉しいらしく

書くたびに褒めちぎってたな。



Aも楽しそうだし、

何回も書いてくうちに上手くなってるし

いい事にするか。








しばらくして静かになったと思って

Aの顔を覗いたら

すげぇ眠そうだった。








帝統「3人とも、今日はAのこと

あんがとな！

今日はもうAも限界っぽいから帰るわ。」



一郎「おう。

たくさん遊んで、頭も使って疲れたんだろうな。

良かったらまた連れてきてくれよ。」



二郎「俺も、またAと遊びたい！

またいつでも遊びに来ていいから！」



三郎「今度は、今日出来なかった

ボードゲームもしたいので！

帝統さん！またAさんを

連れてきて下さい！待ってます！」




帝統「おう！また頼む。

んじゃ、またな！」






そう言ってAを姫抱きにして帰った。









幻太郎「おかえりなさい。

とても楽しんだようですね。


……ふふっ、A、お疲れ様です。」





帝統「ただいま。


後で今日の事話すから

とりあえず布団ひいてくれ。」




幻太郎「えぇ。その間にAの着替え

終わらせといてくださいね。」




帝統「………………おぅ。」


寝てるこいつの着替えって

難易度高ぇよ。




乱数がいつも着替えやすい服用意してくれてて

ほんと助かる。









幻太郎「では、Aのことは見ておくので

帝統はお風呂に入ってきてしまいなさい。」



帝統「おう。Aは明日風呂にいれるから、

そのまま寝かしといてくれ。」




幻太郎「分かっています。」

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