７【おそ松さん】一卵性六つ子と処方箋7【逆ハー気味】

レンタル彼女【トド松】 ページ9

明日はそんなトド松さんとの"デート"。
女子力の高い彼は、"女の子"に対してどういうデートをするんだろう…。

とりあえず、薬の事は…効いてるんだから保留にしておこうか…。

ただ、教科書でなーんかそんな事象の話があった気がするんだけど…。


****

「……え。おそ松兄さんが？」
「そ！！そ！！！」
「ｼｰｯ…十四松、声でかい…。」

「…？」
居間で少し勉強をさせてもらい、付き合ってくれたチョロ松さんと一緒に寝室へ上がろうかと廊下際へ向かった時の事。

「いつから。」
「昨日っス！！」
「今も？」
「えとね、今はふつー。」

手を掛けた襖の向こうから、一松さんと十四松さんの密やかな声が聞こえた。

「元気がないって言ってたのは…」
「元気がないのは帰ってきてからの一瞬だけだったよ！今はふつ―！！」
「……なんか変なものでも食ったのかな…。」
「…ありえる…。」

ありえちゃだめだろう、と内心突っ込みながら襖から距離を置く。
おそ松さん…一瞬でも元気がなかったんだろうか…？ちょっとイメージが付かないけど。
昨日って、私…いや、"A"とデートした後？
ん？
私のせい…？？

今日はもう遅いし、明日位に一度話してみてもいいかもしれない。
…結局はぐらかされるだけの様な気もするけれど…。

「どうかしま…どうかしたの？十四松がなんか言ってるけど。」

遅れて後ろについてくれたチョロ松さんが声をかけてくれた。

"敬語を使わないようにしてみる"の破壊力たるや…素のトーンの落ち着いたチョロ松さんの声が鼓膜をくすぐって、変に緊張する。

「いえ…ちょっと。」

無暗に不安をふっかけるものでもない…よね。


****

「こんにちはっ」
「あっ、やっほー。Aちゃんだよね？」
「うんっ。今日はよろしくね！」

"薬の効果が薄くなっているかもしれない。"
そうイヤミさん達に伝えたかったけど、向こうは向こうで忙しいのか中々会えないうえに、連絡も取れない状態だ。
このご時世にメアド交換しかしてなかったせいか、送信したメールも気付いてもらっていないようで…。

「こんなに可愛い子が来てくれるんだ♪じゃっ、とりあえずぶらつく？」
「う、うんっ。」
「緊張しなくて大丈夫だよっ。」

そんな中、今日のお相手は、チョロ松さん曰く『人心掌握魔人』こと末弟のトド松さん。
さすがの対人力にどぎまぎしながらのスタートとなった。


**

ﾌﾞﾛﾛｫ…

「ほら、Aちゃんはこっち。」
「えっ。あ、ありがとう…//」

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