レンタル彼女【一松】 ページ17
「行って帰ってくる間に泣き止んでるに決まってんのに……ﾊｧ…」
「ご、ごめん…;私、感動ドキュメンタリーとかでもわーわー泣いちゃうタイプでね。」
マスクを外し、膝に手をつきながら息をつく姿に、申し訳なさが倍増する。慌てて頭を下げた。
「……。」
手の甲を口元に当て、吐息を相殺しながら訝しげに見上げられる。
「……///」
そんな色っぽい仕草を見せられても困る。
「感動で泣いたって感じじゃなかったよ…アレ。」
「…そ、そう。…かな。」
何を見透かしたのか、一松さんは核心を突いてくる。
「…。」
少し首をかしげてこちらを伺う仕草は、やはり兄弟に似ていた。
…散々心配をかけておいてだけど、これ以上はちょっとなぁ。
「こんなに」
「まるで…」
"こんなに気を遣ってくれてありがとうね"と伝えよう、そう思った矢先。
一松さんの言葉がそっと被さった。
「まるで…猫と初めて仲良くできた時の……あぁ、まぁ、いいや。」
「！」
もし、"自分と似ていた"というフレーズが続くなら、聞いておきたかったような気もした。
その気持ちをよそに、一松さんは改めてこちらへ向き直る。
「色々疲れてるんじゃない…、俺達と違って、働いてるわけだもんね。」
「そんなこと…う、なんだかごめんね。楽しい時間を過ごしたかったのに…」
”お金もらっておいてなんじゃこりゃ。”と思わず手首をさする。
猫見て泣くとか、涙腺の蛇口を今度から閉めておかないと…って次回があるかすらわからないんだっけ…。
「…いいや、割と…。」
「…。」
社交辞令だろうか。
いい思いをさせてあげられなかったことに対する否定が来た。
一松さんは猫背のまま、親猫を顎で示す。
「アレ。路地裏の猫って敬遠されがちなんだよ。あの親猫も…目の傷の周りには目ヤニ。しかも野良の雑種。子猫がいるっつっても、今まで、通りすがり様に笑って行った奴も多かったから…。」
あんたはそうじゃなかったし。
と、薄く笑顔を返してくれた。
「あ、ありがとう…。」
思わず頬が熱くなる。
そうまで言ってもらうと逆に嬉し恥ずかしい気持ちだ。
だが、笑って行った人達がいたというのも想像はできる。
なにせ、…ゴミ捨て場で猫を必死に探していた人物でさえ"嘲笑"の的になることを、私は知ってしまっている。
そんな"どうにもならない状況"に
「…そういう人がいたってのは、なんだか悲しいね。」
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ルシア(プロフ) - 詳しく説明して頂いてありがとうございます！！甘すぎず距離感もほどよくてほんとに面白いですww (2017年4月13日 16時) (
レス) id: 8774ee6d9a (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - ルシアさん» 楽しんでいただけているようで嬉しいです！コメントありがとうございました(*ﾉωﾉ) (2017年4月13日 0時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - ルシアさん» 矢印の数で考えると、現時点ではおそ松よりも、カラ松の方の好感度が高く。チョロ松の行で考えると、夢主の方がチョロ松よりも相手の事が好きということになります。 夢主と一松はは好きという気持ちが募っていますが、まだお互いに寄りつけない関係です。 (2017年4月13日 0時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - ルシアさん» うおおルシア様ご愛読ありがとうございます＆ごめんなさい解りにくいですよねｗｗ →が夢主が相手松を好き、←が相手松が夢主を好きという意味です。矢印の数が多いほど好きということになります。■は矢印だけだと見づらいと思ったので中央点として設けています。 (2017年4月13日 0時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
ルシア(プロフ) - ダメだ、私の頭の悪さだと、一番はじめの好感度の見方がわからない､､､。全体的に面白くて読みごたえがあります。これからも更新頑張ってください(ФωФ) (2017年4月12日 23時) (レス) id: 8774ee6d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちよ | 作成日時：2016年5月27日 22時
