8『お手紙』 ページ8
原作に関われないと、案の定暇だった。
朝起きて、学校に行く。
相変わらず弱いもの虐めを繰り返すダドリーくんを殴り返して、先生に呼び出されて。
それを毎日繰り返すだけだ。
ただ、週に一度の楽しみがある。
『“親愛なるマリーへ”。か……』
メリーちゃんが届ける、ハリーくんの手紙だ。
今どき羊皮紙に羽ペンだなんて古臭い
深夜、ご丁寧に部屋まで届けてくれたメリーちゃんの頭を撫でてクッキーを上げる。不服そうな顔はスルーして、早速封を開けた。
“こっちは順調だよ、マリー。そっちはどう？ダドリーが他の子を虐めてないといいんだけど。……いや、マリーの鉄拳があれば大丈夫か。あれはキツい。”
殴るよ？
“そういえば、新しい友達ができたんだ。ハーマイオニーっていう子。良い子だよ。勉強と規則に厳しいけど。まるでマリーの頭いいバージョンみたいだ。”
よし決めた。もう手紙の返事出してやんない。
“そうそう！凄いことがあったんだ！昨日のハロウィンで────”
思わず背筋を伸ばす。
ハロウィン──と言う事は、十中八九、トロールさんとのご対面事件の事に違いない。
私があの日、ハリーくんに九と四分の三番線への行き方を教えたり。
ヘドウィグちゃんの名前を変えてしまったり。
ハリーくんの定期的に手紙を送る程の大切な存在(つまり私ね)を作ったり。
この時点で、原作を壊しかねない事をしてしまった。
ハロウィン事件が変わっていてもおかしくはない。
深呼吸をして、続きを読む。
“────なんと、そこで出てきたのがトロール！絵本に出てくる様な、緑色の肌をしたどデカい奴。正直、ここで死ぬと思ったな。でもロンがやっつけた！浮遊呪文っていうのがあるんだけど、それでトロールが持ってた棍棒を振り上げて…ソイツの頭の上に落とした！ガツンと！それから────”
私はゆっくりと手紙を閉じた。
大丈夫、大丈夫なんだ。
原作通り、トロールが来た。
ロンが倒して、ハーマイオニーと友達になった。
これで晴れて、
よかったじゃん。
多分このまま、クリスマスまで原作通りに────J.K・ローリングさんが描いた物語のままに進んでいく。
私は、それに関われないどころか
影響を与える事だって、出来ない存在だ。
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とお。(プロフ) - ますしんさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです🙌🏻亀更新ですが、これからもよろしくお願いします❕ (2月25日 21時) (
レス) @page30 id: bd66dfc1ca (このIDを非表示/違反報告)
ますしん(プロフ) - マグルなのにスリザリンは展開気になりすぎる笑笑でも主人公の性格的には確かにスリザリン笑笑今後も応援しております！！ (2月25日 17時) (レス) id: 3a092db897 (このIDを非表示/違反報告)
お。(プロフ) - ユウさん» 更新遅くて申し訳ないです……。コメントありがとうございます！ (1月31日 12時) (レス) id: 08eb455a1d (このIDを非表示/違反報告)
お。(プロフ) - 蘆花さん» 私だったらこうしちゃうなって思いながら書いてます、笑。コメントありがとうございます！ (1月31日 12時) (レス) id: 08eb455a1d (このIDを非表示/違反報告)
お。(プロフ) - 天天さん» 3周！？そんな…光栄です…！！ (1月31日 12時) (レス) id: 08eb455a1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とお。 | 作成日時：2023年3月18日 13時
