Euphoria【Raul】 (ページ38)

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Grateful days 38 ページ38

「わたしなんかほとんど他人みたいなものなのに、いいのかなって思う反面、やっぱりひとりにしてはおけないなって」

目黒さんは深く頷いた。

「血がつながってるっていう・・・なんていうのかな、無条件の安心感、みたいなのがあるんじゃねぇかな。ラウールはAさんと一緒にいたいんだと思う」

出会ってから何ヶ月も経っていない。たけど、確かに目黒さんのいうとおり、友だちや他人には見せたくない部分もラウールだったらいいか、と思う瞬間はなくもない。

「Aさん」

改まった表情で、目黒さんがしっかりと目を見てくる。

「ラウールの力になってやってください。よろしくお願いします」

目黒さんにも頭を下げられてしまった。

つい、ふっと笑ってしまうと、怪訝そうに目黒さんが顔を上げた。

「ラウールはみんなに可愛がられてるんですね」

「え？」

「岩本さんも、佐久間さんも、目黒さんも。でも、わかります。まだ過ごした時間はほんの少しだけど、何なんでしょうね、あの末っ子気質は」

あはは！と大きな口を開けて目黒さんが笑った。

「ほんとっすよね！敵わないんですよ、ラウールには。

・・・でも」

ぴかり、とその目が一瞬剣呑に光る。

「オレも負けてらんないんで」

目黒さんはまっすぐにラウールを見つめ、つぶやいた。